人気回復する毎月分配型投信 実力を見極めるには?運用実績と仕組み考慮

運用の実力を超える分配金は長続きしない。7月以降、米連邦準備理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)が利下げに転じて世界的に金利が低下傾向にあり、分配金の維持は一段と難しくなっている。8月は毎月分配型のファンド36本が分配金を引き下げた。これは55本が引き下げた1月以来の多さだ。一方、分配金を引き上げたファンドは9本にとどまった。

毎月分配型の投信は、まとまった定期収入がない高齢者にとって「給与代わり」(60代の女性)になっている面がある。年金と現役時代に築いた金融資産の取り崩しでやり繰りする家計に合っているとの指摘もあり、投資信託協会の松谷博司会長は「高齢者にとって隔月や毎月で分配するファンドは重要なカテゴリー」と話す。

リスク踏まえて

しかし、銀行預金の金利がほぼゼロになってしまった現在、毎月分配型の分配金をかつての高金利の銀行預金の代わりのように安易に考えている投資家がいるとしたら、やはり問題は大きい。

神奈川県に住む70代の女性は大手証券の若い営業マンに提案され、毎月分配型の投信などに合計1500万円を投じたことを後悔している。「金融商品に詳しい親戚に説明されるまで、仕組みを理解していなかった」という。すでに一部を解約した。

投資の期待リターンはリスクと表裏一体だ。毎月の分配金が高いファンドはそれに見合うだけリスクの大きい資産に投資する。さらに収益調整金によって分配金をかさ上げしている可能性がある。老後の年金の上乗せとして検討する場合も、こうしたリスクを十分に踏まえておきたい。

(四方雅之)

[日本経済新聞朝刊2019年9月21日付]

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