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スズキ・エスクード コーナーが楽しい、軽快SUV

2019/10/13

コンパクトな都市型SUV「スズキ・エスクード」を試乗した(写真:向後一宏、以下同)


活況を呈する昨今のコンパクトSUV市場にあって、いまひとつ存在感を示せていない「スズキ・エスクード」。しかし実際に試乗してみると、軽快な走りと本格的な4WDシステム、優れた実用性を併せ持つ、侮れない実力の持ち主だった。

■年間の販売目標は1200台

「スズキ・ジムニー」は昨年(2018年)のフルモデルチェンジから1年以上が経過したが、まだ生産が追いつかない状態が続いているらしい。世界に名をとどろかせている名車であることは疑いないが、納車待ち1年というのはいささか長過ぎる。

スズキの四輪駆動車が欲しいなら、ほかにも魅力的な選択肢があるではないか。エスクードである。1988年に登場し、街乗りもできるコンパクトなクロスカントリー車として人気となった。今では当たり前になったクロスオーバーSUVの先駆け的存在と言っていい。

現在販売されているのは、2015年に登場した4代目。ラダーフレームを持たないモノコックにFFベースの四輪駆動システムを組み合わせた現代的なモデルである。当初は1.6リッター自然吸気エンジンのみの設定だったが、2017年に1.4リッターターボが追加され、その翌年に1.6リッターを廃止。さらに内外装の変更や装備改良などを施すマイナーチェンジを受けて今に至っている。スズキのラインナップの中では、堂々たるフラッグシップの位置だ。

1.6リッターNAモデルやFF車などはいずれも廃止。現在のラインナップは1.4リッターターボの4WD車、かつて「1.4ターボ」というグレード名で呼ばれていたモデルのみとなっている

コンパクトなサイズのクロスオーバーSUVは、今や大人気の売れ筋。「トヨタC-HR」や「ホンダ・ヴェゼル」などもこのジャンルである。2019年上半期の販売台数はヴェゼルが3万3445台、C-HRが3万2221台で、SUVの売り上げトップの座を争っている。どちらも街なかでよく見かけるが、エスクードにはめったにお目にかからない。それも当然で、年間販売目標台数はわずか1200台なのだ。

■際立つ軽快な走り

4代目になってから生産はハンガリーのマジャールスズキが行っているから、輸入車ということになる。販売台数が限られていることもあって、日本仕様はモノグレード。フルモデルチェンジ直後は設定があったFFモデルはカタログから外された。スズキは本気で売ろうとしているのか、首をかしげたくなる。C-HRやヴェゼル並みの売れ行きは望めなくとも、十分なポテンシャルはあるのだ。

エスクードのボディーサイズは全長×全幅×全高=4175×1775×1610mmで、C-HRの4360×1795×1565mm、ヴェゼルの4340×1790×1605mmと比べるといくらかコンパクトだ。サイズ以上に異なるのが重量で、エスクードは1220kg。似たような仕様のC-HRやヴェゼルよりはるかに軽い。エンジンの最高出力は136PS。軽量を利して活発に走る。

ライバルの車両重量を見ると、「ヴェゼル」のガソリン+4WD仕様は1270~1360kg、「C-HR」のそれは1470kg。1220kgという「エスクード」の車重が、いかに軽いかがよくわかる
「スイフトスポーツ」のそれと基本設計を同じくする1.4リッター直4ターボエンジン。136PSの最高出力と210N・mの最大トルクを発生する

このクラスのクロスオーバーSUVはスポーティーな走りが通例となっているが、その中でもエスクードの軽快さは際立っている。ハッチバック並みとまではいかなくても、重量感とは無縁で活発に走る。ワインディングロードでも楽しめるキビキビ感なのだ。狭い道やタイトなコーナーも苦にしない。

ヴェゼルがDCTもしくはCVT、C-HRがCVTなのに対し、エスクードはトランスミッションにトルコン式の6段ATを採用している。山道ではパドルを使って積極的にシフトダウンしたほうが素早い加速を得られるが、Dレンジのままでスポーティーに走りたければ走行モードを変えればいい。センターコンソールに備わるコントローラーを使って「SPORT」モードを選ぶと、エンジン回転を高く保ったままコーナーを抜けていく。

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