モンベルのインナーダウンベスト 薄くても保温力抜群
数ある衣装や小物の中から、その場にふさわしいアイテムを選び抜き、コーディネートを考えるのがスタイリストの仕事だ。そんな「目利き」が旬のファッションアイテムに焦点をあて、魅力を紹介する「旬アイテム」。スタイリスト、小林新氏が今回、取り上げたのは、モンベルのインナーダウンベスト。秋口以降、ぜひ試したいアイテムという。
■スタイルを崩すことなく、暖かさを手にできる
インナーダウンなるものが一般的になったのは、果たしていつごろからだろうか。寒い時期にアウターの下に着るダウンベストやダウンジャケットを指す。ダウンとはいえ、決してモコモコしたタイプのアイテムではない。薄手なので、小さく丸めて袋に入れて持ち運ぶことも可能だ。
僕の父親世代が身につけていた記憶はない。文字通りスーツやジャケット、またはコートの内側(イン)に着るものだが、着ぶくれする心配もない。Vネックなので胸元のVゾーンも邪魔せず、自分なりのスタイルが維持できる。まさに縁の下の力持ち、という言葉がぴったりだ。そうした意味でも、インナーダウンはファッション業界にある種の革命をもたらしたアイテムの一つではないかと僕自身は思っている。
モンベルは1975年、日本で創業したアウトドア用品のブランド。機能美と軽量・迅速をコンセプトに登山用具やアウトドアグッズなどを手掛けており、本社は大阪にある。
■パッカブルタイプで持ち運びにも便利
個人的にはクラシックな装いが好きなので、スーツにウールやツイードのコートを羽織り、ダウンジャケットはあまり着ない方だ。とはいえ、コートは意外に風を通し、真冬に野外で仕事をする際などは、寒さに耐えられないということもある。
そんな時、インナーダウンベストを1枚着るだけで、暖かさが格段に違うのがわかる。自分なりの装いの流儀をしっかりキープしつつ、寒さもしっかりとしのぐことができる優れモノ。しかも、アウトドア用品の本格派であるモンベルのアイテムなのに、お値段は1万円でお釣りがくるのだからありがたい。
それにしても今を生きる人たちは幸せだなぁとつくづく思う。僕の父親の時代は寒い時期の対策といえば、ラクダのももひきくらいしかなかったからだ。近年は店頭に、ヒートテックやらインナーダウンやら、便利で手ごろな価格で、オシャレなアイテムが続々と並ぶようになっている。
モンベルのVネックのインナーダウンベストの色味は黒とネイビー、オリーブの3色展開。パッカブルタイプなので、くるくると丸めて袋にしまえば、出張時などにもバッグにしのばせ、持ち運べる。会社に置き傘ならぬ、置き服しておいてもいい。これから日ごとに寒さが増してくるシーズンだ。そんな時、1枚インナーダウンがあるだけで、体はもちろん、心までもがほっこりする。
※商品の価格は税込み
問い合わせはモンベル・カスタマー・サービス(0088・22・0031)
大学卒業後、2006年に独立。雑誌や音楽、広告分野などを中心に活動。服にとどまらず、その周辺にある美術などもスタイリングの一環と考え、独自の視点を持つスタイリストとして定評がある。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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