――(古賀)日本人はユニークセールスポイントを打ち出すのが下手だと感じますか? 私は自分の意見を言うのが当たり前の環境で育ったせいか、日本の一般的な教育を受けた人と違いを感じることがあります。それでメイさんの出身国であるオランダの多様な教育に興味を持ちました。

「日本人は『自分はここが人と違ってすごい』と言うのがまだ下手だと思います。僕自身は、オランダの教育はあまり受けていないのですが、ずっと欧米の教育です。しかもキャリアは日本企業と外資系がほぼ半々。だから、日本の企業の社員の特徴もよく見えます。日本人はやっぱり、ちょっと皆と違うと煙たがられるところがまだある」

■お互いの違いを尊重するオランダという国

「オランダは非常に自由な国で、国連児童基金(ユニセフ)が発表する子どもの幸せ度ランキングが1位なんです。理由は数え切れないくらいあるけれど、押しつけない教育のおかげじゃないかなと思います。みんなが違う意見をもっていて、尊重し合うのが当たり前の社会です。お互いの意見を尊重するためには、自分の意見を相手にわかってもらうロジックと、アウトプット力も必要です。こうした力もオランダをはじめとする欧米の教育では鍛えられます」

「日本は市場が成熟して、これから人口も減っていきます。どうしても海外に目を向けないといけない時期にきているんです。そうすると、海外の土俵で戦わなければならない。だからこそ、自分は人と違ってこんなところがすごいって堂々と言える人になってほしいと思います」

――(岩元)大学生が就活一辺倒になっている風潮に違和感を持っています。もっと学業に励んだほうがいいと思いますか。

「ビジネスマンとして働いてきた実感から言うと、大学で学んだことは必ずしも社会では通用しません。医学などは別ですが、経営の分野でいうと、役に立つのは実際の社会経験なのだと感じます」

「僕が通った米国の大学の学長は、『大学は勉強だけする場所ではありません。自分が社会にでるための腕を磨く場所。勉強以外の活動もしたほうがいい』って言ったんですよ。そんなときに目に入ったのが、消防隊のボランティア募集でした。在学中ずっと続けて最後には司令官になりました」

「その後、ハイネケン・ジャパンでオランダ人の上司に、『君は消防隊で司令官まで務めたから、瞬時に状況を把握してプレッシャーのなかで的確な指示ができる人だと思ったから採用した』と言われました。学生時代の経験がこんな形で評価されたのかと驚きました」

「若いときの経験はいつどんなふうに評価されるかわかりません。自分のゴールを決めたら、自分のユニークセールスポイントを見つけるために、どんどんいろんな経験をしてほしいなと思います」

――(U22 藤原仁美)もともとプロレスが大好きだったとか。

「そうなんです。僕は父の仕事の都合で8歳から13歳まで日本で育ちました。インターナショナルスクールでは英語、外では日本語の生活のなか、言葉がわからなくてもテレビで唯一楽しめたのがプロレスでした。その時から日本のプロレスの大ファンです。この原体験があるから、プロレスには国境を超える力があると思っています」