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ヒットを狙え

タピオカ・マンゴー… 回転のくら寿司で高級スイーツ

日経クロストレンド

2019/10/8

日経クロストレンド

くら寿司は高級スイーツブランド「KURA ROYAL(クラロワイヤル)」を立ち上げ2019年9月9日から全店で販売開始した。第1弾は「たっぷり完熟マンゴーパフェ」「黒糖タピオカミルクティー」「黒糖タピオカ抹茶ミルク」。各480円(税別)と、同店のスイーツとしてはかつてないほど高額だ。

「たっぷり完熟マンゴーパフェ」(中央)は19年9月19日まで期間限定で販売した。左奥が「黒糖タピオカミルクティー」右奥が「黒糖タピオカ抹茶ミルク」

■半年かけて全国のスイーツ店を行脚

クラロワイヤル立ち上げのきっかけは、19年3月からすしネタで提供して好評だった「旬の極み」シリーズだ。「国産天然くえ」「あぶりのどぐろ」など、これまでなかった新しい味を提供し、人気となった。さらに高級かき氷機を使用した、かき氷メニュー「夢のふわ雪」の600 万食を超える大ヒットも後押しした。

「スイーツでもこれまでないものをと、半年をかけて開発した。特に時間を割いたのは有名店のスイーツ試食。コンビニから全国の高級スイーツ店まで回り、1000個近くを実際に味わって勉強させてもらった」

そう話すのはくら寿司商品開発部の落合千明氏だ。ワンランク上を目指したのは、そんな試食行脚を通して、コンビニから高級ケーキ店まですべてのスイーツのレベルが底上げされ、レベルが上がっていることを実感したからだという。

スイーツを楽しむ層も変わってきた。かつては女性が中心だったが、今ではスイーツを愛好する男性も増えている。そんなニーズにこたえ、「誰にも幅広く楽しんでもらえる専門店以上の味」を目指していくという。

SHIBUYA109に1日限定でオープンした「KURA ROYAL Cafe」の店頭に立つブランドの生みの親、くら寿司商品開発部の落合千明氏

マンゴーの王様ともいわれるインド産のアルファンソマンゴーをぜいたくに使った「たっぷり完熟マンゴーパフェ」のほか、2種のタピオカドリンクにも力を入れた。台湾の人気店にも足を運び、有名店の味を300~500杯は試飲したそうだ。

「ほかの大手回転ずしチェーンでは、ブームのタピオカドリンクの販売をすでに開始しているため、弊社は最後発となる。じっくり開発して、満を持しての発売としたかった。タピオカは弾力にこだわったほか、ドリンクの甘さを抑え、ホイップでまろやかにまとめるなど、黒糖の甘みを強調するのに苦労した」(落合氏)

台湾の有名店にも出掛けて開発したという「黒糖タピオカミルクティー」は、表面にチョコチップをちりばめた、はやりの「盆栽」仕立て

■タピオカブームは下火? いや、これからが出番

タピオカブームはそろそろ下火との説もあるが、実はここからが回転ずしなどのチェーン店の出番と、鼻息は荒い。

「タピオカブームとはいえ、有名店はまだ都市部に集中している。地方の人は人気店のタピオカドリンクを味わうため、都市部に出掛けているのが現状。くら寿司は全国に430店舗ある。東京や大阪などで人気となっているワンランク上のタピオカドリンクを(近場で)楽しめることが強みになる」(落合氏)

タピオカドリンクのコアターゲットである若い女性に響くように、発売前の19年9月3日にはSHIBUYA109 店頭イベントスペースに1日限定のポップアップスタンド「KURA ROYAL Cafe」を開設。「黒糖タピオカミルクティー」などが、ツイッターとインスタグラムのアカウントをフォローした人限定で配布された。併設のフォトスポットでは、イケメン執事2人と写真を撮れるサービスも用意した。

「KURA ROYAL Cafe」では、執事役のモデルと写真が撮れるフォトスポットも用意。行列ができる人気ぶりだった。今回主役席に座ってもらったのは、この仕掛けを企画したくら寿司広報宣伝部西日本宣伝担当ジュニアマネージャーの内田佳奈絵氏

「クラロワイヤルはワンランク上のスイーツがテーマ。109でいつもと違うワンランク上の体験してもらおうと、執事と一緒に写真が撮れるイベントを考えた。くら寿司は家族で行くイメージが強い。でも、若い世代がスイーツだけを食べに来てもらってもいい。それを告知したかった」(同社広報宣伝部西日本宣伝担当ジュニアマネージャーの内田佳奈絵氏)

今回販売が開始される2種のタピオカドリンクは、19年11月7日までの期間限定で、しかも各店舗1日限定20食というプレミアム感もある。全国のくら寿司に、若い女性の「タピオカ行列」ができるかもしれない。

(文・写真 福光恵)

[日経クロストレンド 2019年9月13日の記事を再構成]

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