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財政検証が示す年金事情 老後資金は手堅い資産運用で いまさら聞けない大人のマネーレッスン

2019/9/26

老後資金は手堅い資産運用が大切になる(写真はイメージ=PIXTA)

8月27日、公的年金の将来の給付水準の見通しを示す「財政検証」結果が公表されました。それによると、年金の支給額の目減りの可能性が高いことが明らかになりました。将来受け取る年金額は実際どうなるのか、年金以外で老後資金を準備するにはどうしたらいいのか。ファイナンシャルプランナーの井戸美枝氏が解説します。

■年金 この先どうなる?

「夫が会社員で妻が専業主婦」という夫婦2人のモデル世帯が、現役世代の平均の手取り収入に対して受け取る年金額の割合を示す「所得代替率」(男性平均賃金に対する年金の率)は、最も楽観的なケース(※1)で、将来の現役世代の収入に対して51.9%(2046年度)。悲観的なケース(※2)では36%程度(52年度以降)と試算されています。

将来受け取る年金額からは、健康保険料や介護保険料、住民税などがかかります。財政検証は、あくまで将来の年金がどのくらいになるのかの試算。天引きされる保険料などは加味されておらず、いわゆる「手取り」とは異なります。受給額によって異なりますが、おおむね1割から2割弱が差し引かれるでしょう。

よって、手堅く考えるならば、30・40代の人(30~35年後に年金を受け取る人)の年金の手取りは、給付時の平均手取り収入の「34~45%」程度と仮定するとよいのではないでしょうか。

とはいえ、前回2014年の財政検証と比べると、女性や高齢者の就業率が上がったことで、年金受給の見通しはやや上昇しています。今後、現役世代の賃金上昇が進めば、物価上昇を考慮した実質的な受給額が増える可能性もあります。

(※1)経済が順調に成長 長期的な実質経済成長率 年0.9% 46年度の所得代替率

(※2)経済が低迷を続ける 長期的な実質経済成長率 年-0.5% で積立金が枯渇した場合 52年度以降の所得代替率

■最大5年間の繰り下げ受給で年金は42%増額

また、今回の財政検証では、いつまで働けば、現行の水準(所得代替率61.7%)に達するかが試算されています。現在50歳の人は66歳まで、40歳の人は67歳2カ月まで、30歳の人は68歳4カ月まで、20歳の人は68歳9カ月までとなっています(前提ケース5)。

受け取り開始年齢は、年金は原則65歳からできますが、「繰り下げ受給」といって、年金の受給を遅らせることで、その後の支給額を増やすことができます。1カ月遅らせると0.7%増額され、最大5年間、42%増額することができます。

ちなみに、受給開始年齢は遅くなっても、長生きすることを前提にすると、受け取る期間(累計)が短くなるわけではありません。平均余命から考えると、現在65歳の人の平均受給期間は約22年ですが、現在20歳の人は25年と、今の高齢者よりも約3年長くなります。寿命が延びた分、長く働く必要があると考えるのはいかがでしょうか。

長くなった老後、少子高齢化、経済成長の鈍化などは、個人の力ではあらがいようがありません。使える制度をフルに活用しつつ、今から少しずつ老後に備えておきたいところです。

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