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太陽系外の惑星で水を確認 降雨や生命の可能性も

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ナショナルジオグラフィック日本版

系外惑星を研究する天文学者チームが、ハッブル宇宙望遠鏡のデータから、地球の数倍程度の大きさと見られる系外惑星の大気に水蒸気が含まれていることを明らかにした。この系外惑星は太陽よりも小さな主星を回り、「ハビタブルゾーン」(惑星系の中で、惑星表面に液体の水が存在できるような温度になる領域)内を周回している。

この発見は、太陽系から111光年ほど先にある系外惑星K2-18bの研究からもたらされたもので、2本の論文で発表された。K2-18bは、2015年にNASA(米航空宇宙局)のケプラー宇宙望遠鏡により発見された。質量は地球の8倍以上あり、海王星のような氷の巨大惑星か、水素を豊富に含む厚い大気に覆われた岩石惑星であろうと考えられ、その姿は私たちの地球とそれほど似ていない。

K2-18bの公転軌道の大きさは地球の公転軌道の数分の1。しかし、主星は赤色矮星と呼ばれるタイプの暗く赤い星であるため、小さな軌道を公転するK2-18bはハビタブルゾーンにある可能性が高い。概算だが、K2-18bの大気は-73~47℃までの間にあると考えられ、反射率が地球と同程度なら、その平衡温度は地球と同じ程度と考えられる。

系外惑星で水が検出されたことは、K2-18bに生命が存在してもおかしくないことを意味している。

2本の論文のうち1本の共著者である英ユニバーシティー・カレッジ・ロンドンの天文学者アンゲロス・シアラス氏は、記者会見で、「K2-18bには大気があり、気温は液体の水が存在できる温度内にあります。大気中に水を確認できた系外惑星は、現時点ではK2-18bだけです。つまり、生命がいる系外惑星の最有力候補です」と話した。

光の分析でわかること

天文学の世界は、この20年で大きく変わった。初めて系外惑星が発見されたのは1992年。以来、科学者たちは恒星の周囲を回るたくさんの系外惑星を発見した。なかには大気があると考えられるものもあった。

そして大気中に水蒸気があるらしい系外惑星も見つかっていた。だが、これら水があることがわかった系外惑星の環境は、生命が存在できるようなものではなかったのだ。例えば2018年、NASAはWASP-39bという土星ほどの巨大系外惑星の大気に水蒸気が存在していることを発表したが、日中は約770℃という猛烈な高温になることもわかっている。

研究者らは、主星のハビタブルゾーン内にある系外惑星の中から、大気中に水蒸気を含む地球の環境に似たものを見つけたいと考えていた。候補になる系外惑星はあっても、たいていそうした天体は小さく、大気の成分を観測するのは困難だった。比較的大きな惑星ほど検出は容易になることから、科学者たちは、地球よりも大きなスーパーアース(質量が地球の10倍以下、表面が岩石からなる系外惑星)を集中的に調べることにしたのだ。

地球からK2-18bを観測すると、33日ごとに主星の手前を横切る「トランジット」が見える。カナダ・モントリオール大学の天文学者ビョルン・ベンネケ氏は、ハッブル宇宙望遠鏡を利用して、この系外惑星のトランジットの様子を調べた。

K2-18bが主星の手前を横切るとき、主星からの光はK2-18bの大気を通って地球に届く。このとき、実はすべての光が大気を通過できるわけではない。これは、K2-18bの大気に含まれている物質が決まった波長の光を吸収するためだ。つまり、どの波長の光が吸収されているかを調べることで、大気にどんな物質が含まれているかを突き止められる。例えば、水は、赤外線に近い特定の波長の光を吸収する性質があるので、大気に水蒸気が含まれているかもわかるのだ。

2015~18年まで、ベンネケ氏のチームはハッブル宇宙望遠鏡を利用してK2-18bのトランジットを9回観測した。トランジットのデータを蓄積して整理すると、水蒸気の存在を示す明らかなシグナルが見つかった。ベンネケ氏らはこの論文のプレプリント(科学誌に発表される前の原稿)を論文公開サイト「arXiv(アーカイブ)」に投稿した。

雨も降る?

ベンネケ氏らとは別に、シアラス氏とユニバーシティー・カレッジ・ロンドンのインゴ・ワルドマン氏も、同じハッブル宇宙望遠鏡のデータを利用して独自にK2-18bを分析した結果を、科学誌『ネイチャー・アストロノミー』に発表した。ベンネケ氏のチームと同様、彼らもK2-18bの大気中に水蒸気が存在する証拠をつかんだ。シアラス氏とワルドマン氏は論文で、この分析結果が誤っている可能性は3000分の1としている。

2つの論文が指摘した発見は、生命が暮らす系外惑星探しに弾みをつけるだけでなく、系外惑星の気象の理解を進める面もある。ベンネケ氏のチームは、K2-18bの大気条件なら、水蒸気が水滴となり、降雨もあるかもしれないと指摘する。事実、水蒸気の雲は、過去に褐色矮星(惑星とも恒星とも言えない大きな天体)で見つかっている。今回の分析結果が正しければ、K2-18bは水蒸気の雲の存在が確認された最初の系外惑星になる。

ベンネケ氏ら、シラス氏・ワルドマン氏、両研究チームとも、K2-18bはNASAがこれから打ち上げるジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡や、欧州宇宙機関(ESA)が計画しているアリエル宇宙望遠鏡による追跡研究の理想的なターゲットだとしている。ハッブル宇宙望遠鏡とは違い、どちらの望遠鏡も、系外惑星の大気中に含まれるメタン、アンモニア、二酸化炭素などの気体や、生命の鍵となる物質の観測にも対応する予定だからだ。

(文 MICHAEL GRESHKO、訳 三枝小夜子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2019年9月14日付]

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