彼の手料理を食べ過ぎて太った
著述家、湯山玲子さん
食欲が旺盛で、なかなか満足感を得られません。彼と付き合うようになってからも、彼が作ってくれる料理がすごくおいしくて、おねだりしては食べてを繰り返すうちに、半年で7キロも太ってしまいました。健康なので私は構わないのですが、彼が気にしているようで申し訳ないです。あまり食べない女の子だったらよかったのにと思います。(東京都・20代・女性)
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結婚した後に太る男性を指して「幸せ太り」という言葉があります。今まで食事をおざなりにしていた男性が、結婚して奥さんの手料理を朝夜たっぷりと食べるようになり、結果デブになっちゃったという状態ですが、とうとうその逆も大アリの時代になったんだなぁ、と。
男子厨房に入らずの時代から、男の趣味としての料理づくり(趣味ですから当然自分中心)を経て、ついに「愛する女性の喜ぶ顔が見たい」というサービスモードに至ったわけで、うーん、いい時代になったと思います。とこの質問、人生相談を利用した単なるノロケ話!? なのかも。
しかし、半年で7キロというのは、今後のことを考えると要注意の数字です。彼氏の作る美味(おい)しい料理を食べ過ぎて太ったということですが、この急速な体重増加は「美味しい料理」の内容そのものに原因がありそう。想像するに、それらは脂肪分も糖分もたっぷりの食事のはず。美味しいものは、糖と脂肪でできている。お茶のCMでお馴染(なじ)みの不都合な真実です。
まずおかずですが、男性の好みはカレー、ハンバーグ、鶏の唐揚げなどのガッツリ系。そして、男性はとにかく白いご飯が大好き。ダイエットのテッパンになった糖質制限ですが、簡単に10キロ体重を減らすのは男性で、その理由は「どれだけ今までどんぶり飯を大量に食べていたんだ、オマエは!」ということなのです。というわけで、相談者氏はおかずとともにゴハンも堪能しているはず。
では、どうするか? 彼氏に注文を出すのです。同じカレーでも、スープ系にすると脂肪分が激減するなど、世の中に溢(あふ)れているダイエット食のアイデアを彼に伝授してみる。料理愛ある人ならではの向上心、好奇心に付け込み、彼氏を「ワタシをスリムに健康に美しくさせるための、専属コック」に仕立て上げる作戦です。
毎日の食事の写真とレシピをSNS(交流サイト)にアップしてもいい。結果、相談者氏がスリムになったら、その様子を出版社が拾って、彼氏はダイエット専門の料理研究家として、ブレークするかもしれませんよ。
[NIKKEIプラス1 2019年9月21日付]
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