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ビリギャルも投資できる? レオス藤野氏に教わった

ビリギャルが専門家にツッコミ 投資編

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NIKKEI STYLE

 ギャルの女子高生が慶応大に合格するまでを描いた「ビリギャル」のモデルとなった小林さやかさんが、様々な分野の専門家に率直な疑問をぶつけます。経済や科学、社会など様々な分野の「いまさら聞けない」を、4月から大学院生になったビリギャルが、あなたに代わって勉強してきます。

学習院大学の伊藤元重教授に「いつインフレが来るかわからないから、資産運用したり、円以外にも通貨を分散したりして、備えた方がいい」と勧められた。けれど、運用や投資なんてみんなしているの? 何から始めたらいい? わからないことだらけだ。というわけで、今回は投資の専門家、レオス・キャピタルワークスの藤野英人社長に聞いてきた。

(前回)老後2000万円とビリギャルの関係 伊藤元重に聞く

ギャルだったころから少し教わった資産運用

――ギャルだったころから塾の先生、坪田信貴先生に「将来どうなるかわからないから、日本円だけで貯金していたらダメだよ」と言われていたから、最近は少し通貨を分散し始めました。そこへ、老後2000万円問題が起きましたよね? しかも、日本は借金まみれだとか言われ続けている。大丈夫なのか? というテーマで、まずは伊藤先生に会ってきたんです。伊藤先生も「資産運用や貨幣の分散は考えた方がいいよ」って。

「確かに、老後2000万円問題が示したとおり、年金だけで老後を暮らすのはかなりむずかしいでしょうね。だから投資は一つの選択肢になると思います。でも、最初に言っておきますけど、投資はする必要がない人はしなくていいです。毎月大金を稼いでいるような人はそれだけで一生暮らせるでしょ。お金をためるには、若いウチにがんがん稼ぐ。または年を取ってからも長く働く。まずはそのどちらかです。もちろん、無駄遣いはしないようにちゃんと自分のお金は管理する。そのうえで、最後の選択肢が投資です」

――投資ってお金持ちのすることだと思っていたけど、逆なんだ!

「そう。お金がない人とか貯蓄が少ない人こそお金の運用を考えないと、お金はなかなかたまりません」

――言われてみればそうですよね。でも、どこから手をつけたらいいのか……。

「例えば、ワクワクする会社、好きな会社があったら、その会社に投資してみる、というのがありますよね」

――投資もそれでいいの!? 私はワクワクとか好きとか、ものすごく得意だし今も昔もずっと大切にしてきた軸です。私の母はいつも「ワクワクすることを自分で見つけられる力をもってほしい」って私とか妹の背中を押してくれていたから。

「それ正解! 投資でも同じです。就活中の学生にこれからどういう会社を選んだらいいかと聞かれたら、僕はなるべく損得ではなく、好き嫌いで会社を選びましょうと話します。なぜなら長い人生で、楽しいかどうかがものすごく大切で、仕事も同じだと思っているからです」

「でも実際は、仕事はつらいけどお金を稼ぐために仕方ないものって思っている大人が多いでしょう? これが、僕は日本人の中にある投資を敬遠する空気に通じると思っています。仕事が好きじゃない。会社は悪だって思っているんですね。会社がワクワクする存在だと思えていないから、会社に投資することがワクワクすることだと思えないんですよ」

自分事になると楽しくなるのが投資

――確かに、朝の通勤電車にいるスーツのおじさまがたの中に、「ああ今日も会社行くの楽しみだなあ!」って思っていそうな人はあまりいない気がする。でも藤野さん、「投資する」こと自体は楽しいものなの?

「株を買うというのはその会社を応援するということです。企業は株を売って得た資金で、事業を始めたり拡大したりするわけだから。今日、さやかさんがここに来るまでに乗った車も、持っているスマートフォンも、身につけているネックレスとかイヤリングも、どこかの会社の人が生産設備などに投資して原材料を買って生産したものですよね」

――あ、そうか。株式市場に投資したお金で、その会社が何か自分や社会にとっていいことをしてくれるかもしれないと思うと、自分ごとにもなるしなんか楽しい感じがする。自分が投資した企業の製品が話題になったりなんかしたら、何となく鼻が高い気持ちがするかもしれない!

「会社の活動にお金を出す。そして、将来うまくいったときに配当とか利子という形でリターンをもらう。これが株式投資の基本です。だから、好きだなと思える会社を選んで、応援してみたらワクワクしませんか」

――それはちょっとワクワクするかもしれない。でも、できればドキドキはしたくない……。

「投資はまずは小さく始めることです。1万円とか2万円くらいで始めてみる。その人にとって、緊張して手のひらに汗をかくようなことのない金額で始めてみてください」

――なるほど、まずは自分と投資に「関わりしろ」を持たせて興味を持つ練習をするわけですね。

「株式のほかにも投資信託という商品が初心者にはおすすめです。投資信託は福袋みたいなもので、株式に投資するタイプの投資信託であれば、いろんな会社がお任せで入っています。買うときも少額でOKです。いろんな会社が入っているから、A社の株価が下がってもB社は上がったというようなこともおきて、リスクを分散できます」

投資をギャンブルにしないためには

――投資にも福袋なんてあるんだ!なんかかわいい。

「金融市場ですから変動します。リスクもあります。ある程度、変動に慣れることも必要ではありますが、リスクを分散する意味でもオススメなのは積み立てです。少しずつ同じ金額で投信を買い増していくので、相場の動きを抑えながら投資できるわけです。いま政府も勧めているのが、個人型確定拠出年金(イデコ)と積み立て型の少額投資非課税制度『つみたてNISA』です。どちらももうかった分の税金がかかりませんし、イデコは掛け金分が所得控除の対象です」

――利益に税金がかからない投資まであるんですね。それなら事業をされている方とかきっとやっている方多いんだろうな。でも、投資はギャンブルだと思ってる人もまだまだ多いと思うんです。だから手を出しづらいというか。

「投資した会社がなんらかの形で自分の人生につながっていることが感じられれば、ギャンブルとは思わないはずです。自分の投資には社会的に価値があると思うことが大事だと伝えたいです」

――投資が社会貢献というイメージは私もこれまで持ったことなかったです。でもそう考えると「寄付する」ということと「投資する」ことは、なんとなく似ていますよね。

「これは僕の考えですが、日本人はお金が大好きで、お金に関してはかなり個人主義だと思うんですね。自分のお金は自分のお金。誰かに自分のお金を託して、社会のために役立ててもらおうという行動はあまりしないんです。日本人は寄付をあまりしないでしょ。日本人の年間寄付額は平均2500円で、米国は13万円だそうです」

――13万!?それはすごい。たしかに日本人からしたら考えられない数字かも。

「でもね、お金ってただの紙ですよ。造幣局が1万円札をつくるのには20円程度しかかかっていなくて、日本銀行がこの紙切れに1万円の価値があると認めているだけ。この紙切れに僕らの心が支配されちゃったら、すごくイケてなくないですか?」

――うん。とってもイケてない。そのせいで心が狭くなって人に優しくできなかったり、余裕がなくて幸せな毎日を送れなかったりするのは、本末転倒ですね。

「だから、お金を好きだなと思える会社に投資して『お金に働いてもらう』のはどうですか? と言い続けてるんです」

学校も企業も大事なのは「トップの顔」

――「お金に働いてもらう」って、伊藤先生も同じことを言ってた!お金に支配されちゃうんじゃなくて、ですね。ところで藤野さんはワクワクする会社をどうやって探しているんですか?

「僕はプロだからいろんな方法を駆使しますけど、みなさんにもできるのは、会社のホームページを見ることです。社長の写真がちゃんと出ていて、ホームページが楽しそうな雰囲気が出ている会社はいいですねえ。株主や社会とちゃんと対話しようという姿勢が感じられる会社は、公明正大で、結局収益に差が出るんですよ」

――学校も同じだなあ。職員室を見たら、その学校が大切にしていることやそこにある独自の文化みたいなものが伝わってくるんです。先生たちの表情や壁に貼ってあるもの、空気感。いろんなものに表れてきますよね。

「なんでもそう。でも、職員室や会社の中にはなかなか入れないんだけど、ホームページなら誰でも見られますからね」

――伊藤先生と話したときも思ったけど、なんで日本はお金のことをもっと学校とかで教えないのかなあ。

「僕が注目しているお金の教育で、起業家体験プログラムというものがあるんですよ。日本取引所グループも実施しています。子どもが会社をつくるんです。事業計画を書き投資家にプレゼンして、投資してもらう。子ども銀行券じゃないですよ。本当のお金を出してもらいます。それで原材料を仕入れ、お祭りなどで実際に売ります。そうするとね、子どもたちはいろいろ考えるようになるんですよ。どうやったら安く仕入れられるか。大きなふかし芋1個300円だと売れないから半分に小分けにして200円にしたら、よく売れるだけじゃなくて収益も大きくなるとか。お祭りが終わったら、投資家にお金を分配し、自分たちにも収益が残る」

――それめちゃくちゃいいですね。子どもたちって、「体験」からもっと知りたい!を見つける天才なのでそこに自分たちの生活に直接関わってくる要素が入っていると余計にワクワクする忘れられない体験になるだろうなあ。その後の人生変えちゃうくらいの。私が今大学院の研究でお邪魔している学校でもやりたいな。

「仕事はプロジェクトであり、仲間と工夫しお客さんとコミュニケーションして進める楽しいことだとわかると、社会人になることが楽しくなるんですよ。これが普及したら仕事はつらいものだとか、投資は悪だとか言う人はいなくなると思っています」

藤野英人さん
1966年生まれ。国内・外資大手投資運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年レオス・キャピタルワークス創業。現在は同社社長で最高投資責任者(CIO)。主に日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。ひふみ投信は「R&Iファンド大賞2019」(投資信託10年/国内株式部門)受賞。投資教育にも注力しており、明治大学商学部兼任講師、JPXアカデミーフェローを長年務める。一般社団法人投資信託協会理事。近著に、『お金を話そう。』(弘文堂)、『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)。
小林さやかさん
1988年生まれ。「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」(坪田信貴著、KADOKAWA)の主人公であるビリギャル本人。中学時代は素行不良で何度も停学になり学校の校長に「人間のクズ」と呼ばれ、高2の夏には小学4年レベルの学力だった。塾講師・坪田信貴氏と出会って1年半で偏差値を40上げ、慶応義塾大学に現役で合格。現在は講演、学生や親向けのイベントやセミナーの企画運営などで活動中。2019年3月に初の著書「キラッキラの君になるために ビリギャル真実の物語」(マガジンハウス)を出版。4月からは聖心女子大学大学院で教育学を研究している。

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