髪乾かすと艶や潤い シャープも新作、ドライヤー5選
ドライヤーは長らく、髪を乾かすためのものであり、形状もほとんど変わらなかった。しかしここ数年で大きく進化。機能や形状が大きく変化し、乾燥にかかる時間が短くなったものや髪や頭皮のケアをうたうモデルが続々登場している。
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従来のドライヤーといえば、ノーズ部分が長く風も高温で、長時間使い続けると髪を傷める、とさえ言われてきた。しかし近年、髪はドライヤーでしっかり乾かさないと、頭皮や髪にダメージを与えることも分かってきた。そこで増えているのが、髪にダメージを与えにくい温度で、風の力を生かしながら速乾できるドライヤーだ。さらに髪のメカニズムの研究が進んだことで、髪を乾かしながらツヤやうるおいを与えるドライヤーの開発も進んでいる。注目の5モデルをさっそく紹介しよう。
2つの吹き出し口から風 シャープ
シャープから登場した「プラズマクラスタードレープフロードライヤー IB-WX1」は、2つの送風口から広範囲に風を届ける。美容師が効率よく髪を乾かすために、2本のドライヤーを同時に使うテクニックにヒントを得たという。2つの吹き出し口から出る風は髪をドレープ状に押し分け、立体的かつ広範囲に風を届けられるため、乾燥時間は従来より約25%短縮した。
熱による髪のダメージを抑えるため、髪とドライヤーの距離を測るセンシング機能を搭載。「センシングドライモード」を使うと、常に送風口と髪の距離を測り、どの距離にあっても髪の表面の温度を、髪の主成分であるケラチンが変性を始める55度以下に保つ。
ドライヤーにもシャープ独自のイオン「プラズマクラスター」を採用。ヘアドライ時に発生する静電気の発生を抑制することで、指通りのよい髪を実現し、キューティクルを守り、カラーリングした髪の退色や枝毛、切れ毛も抑えるという。
髪の水分増加量が1.9倍に パナソニック
パナソニックのヘアドライヤー「ナノケア」は、2005年の発売以来、売れ続けている人気シリーズ。2019年7月には国内累計販売台数1100万台を突破している(記事「売れる高額ドライヤー 口コミとリアル体験が追い風」参照)。パナソニック独自のイオン「ナノイー」が髪に浸透することで、髪を乾かすだけでなくケアできるという。
9月に登場した新モデル「ナノケア EH-NA0B」は、発売15年目にしてナノイー発生デバイスを大きく改良。従来のコロナ放電方式から、マルチリーダー放電方式に変えることで、ナノイー水分発生量が昨年モデルと比較して約18倍と大幅に向上した。これにより髪の内部により浸透しやすくなり、毛髪の水分増加量は1.9倍になり、「髪のうるおいとなめらかさが向上した」としている。
「ナノイー」を利用したさまざまなモードも用意。「スキンモード」で顔に当てると肌のうるおいも保ってくれる。さらに乾燥スピードを早める「速乾ノズル」を搭載。強弱差のある風を吹き出すことで毛束をほぐし、速乾性を高めるという。
アタッチメントが低温乾燥を実現 ダイソン
ダイソンのドライヤー「Dyson Supersonic Ionic(ダイソン スーパーソニック イオニック)ヘアードライヤー」の初代モデルが登場したのは2016年。ヘッドが短い独特な形状に加えて、パワフルでコンパクトなダイソンデジタルモーターV9と、「羽根のない扇風機」で特許を取得したエアマルチプライヤーテクノロジーが生み出す高圧・高速な気流が、速乾を実現して注目された。
9月に発売した新モデルは、進化したアタッチメントを搭載。新開発の「ジェントルエアーリング」は、取り付けるだけでドライヤーの熱を20度下げ、ダメージを受けやすい細い髪やデリケートな頭皮を守る。低温ながら高速な気流が髪をすばやく乾かせる上に、低温で乾かすことでカラーリングした髪の退色も抑えるという。
独自のP-フォルムが使いやすい カドークオーラ
ドライヤー「BD-E1」は、日本の空調家電メーカー「cado(カドー)」と韓国の「SK Magic Co.,Ltd(エスケーマジック)」が共同で設立した理美容家電メーカー「cado cuaura(カドー クオーラ)」の第1弾製品。一般的なドライヤーから、ノーズ部分をそのままカットしたような「P-フォルム」と呼ばれる形状が特徴だ。
一般的なドライヤーはノーズ部分にヒーターが搭載されているが、本製品はヒーターを円形モーター上に配置することでノズルが不要に。送風口と髪までの距離が近いため髪が乾かしやすいという。
風質や風量、風温にもこだわった。遠赤外線の温熱効果に着目し、吹き出し口にはセラミックカートリッジを搭載。ヒーター線もセラミックコーティングを施した「デュアル遠赤外線」仕様を採用した。風温は最高温度を85度に抑えつつ、大風量と遠赤外線により速乾性も確保しているという。
音波振動と遠赤外線で頭皮をケア ヤーマン
理美容機器専門メーカー「ヤーマン」のドライヤー「スカルプドライヤー」シリーズは、髪を乾かしながら頭皮ケアもできる機能を備える。シリコン製の「スカルプヘッド」を装着し、「温感スカルプモード」で直接頭皮に当てることで、毎分約3700回の音波振動が頭皮の弾力を向上させ、美容成分や育毛成分の浸透をサポートするという。
遠赤外線機能も搭載。遠赤外線は髪の水分に吸収されると熱に変わるため、約60度の低温風で乾かす「ヘアケアドライモード」でも速乾を実現し、温感スカルプモードでも頭皮ケアを促すという。8月に登場した新モデル「スカルプドライヤー プロ」は、コームの先から伝わる振動で髪を立ち上げ、つやのある髪に導くという新アタッチメント「ツヤブラシ」を搭載している。
白物家電・美容家電を中心に、暮らしにまつわるモノやコトを幅広く取材、執筆するフリーライター。リアルな主婦目線で、日々の家事が楽しく快適になる家電の取り入れ方を積極的に発信する。
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