ソニー新RX100 ポケットにα9並みの連写や瞳AF
コンパクトながら画質に定評のあるソニーの「サイバーショットRX100」シリーズ。7代目となる「サイバーショット RX100VII」は、同社のフルサイズミラーレス一眼「α9」譲りの高いオートフォーカス性能をひっさげて登場した。ほぼ毎年のように新機種がリリースされている印象だが、その性能は着実に進化を遂げてきている。
「サイバーショットRX100」シリーズはいわゆる高級コンパクトデジタルカメラに属するモデルだ。2012年発売の初代モデルから1.0型センサーと高性能ズームレンズを搭載して人気を博している。センサーの性能やレンズのズーム比、EVF(電子ビューファインダー)などに変更があるものの、基本的なコンセプトは踏襲されている。それが「サイバーショット RX100VII」まで受け継がれている、歴代の全モデルが併売されるというなかなか珍しいカメラとなっている。
ポケットに入るα9
今回登場した「サイバーショット RX100VII」は有効2010万画素の1型センサーに、24~200mm F2.8~4.5のズームレンズを搭載。ここまでは先代モデルと同じだが、連写やオートフォーカスの性能は格段によくなった。
フルサイズミラーレスの中でも連写性能で評価の高い「α9」と同じ、約20コマ/秒の連写中でも液晶モニターが真っ暗にならないブラックアウトフリーをついに実現した。これによって被写体を見失うことなく高速連写で追うことが可能になった。コンパクトカメラながら大きい1型センサーで瞬間の撮影に強いモデルが誕生したわけだ。実際に走行中の電車を撮ってみたがこれが実に快適。意図した通りにフレーミングしながら確実に被写体をフォローできた。また定評ある「瞳AF」も搭載されていてポートレート撮影でもモデルの瞳に確実に合焦できる。さらにそれは動物でも同様で、ペットなどの撮影でも瞳にピントが合った写真が手軽に撮影可能になっている。
オートフォーカスのスピードも先代モデルの0.03秒から0.02秒に高速化しつつ、像面位相差AFエリアも315点から357点に、コントラストAFエリアも25点から425点と高められた。もはやα9がポケットに入るサイズになったといってもいいような仕上がりを見せている。
さて前述したように「サイバーショットRX100」シリーズは歴代モデルが全て併売されている。購入時にどれにしようか迷ってしまいそうだが、やはりオススメは最新の「サイバーショット RX100VII」だろう。ブラックアウトフリーの高速連写、幅広いAFエリア、瞳AFなど前モデルから一皮むけた印象だ。初代モデルから外観に劇的な変化がないが、コッソリと買い替えても周囲にわかりにくいのがうれしい点なのか悲しい点なのかは人それぞれだろうか。
ソニーのデジタル技術をコンパクトなボディーに惜しみなく凝縮したと言える「サイバーショット RX100VII」。価格はかなり高めとなるが、大きなカメラを持ち歩けない場合にポケットに入っていると心強い1台であることは間違いない。
次ページで作例を紹介する。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影している。2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。http://sasurau.com/
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