検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

ビタミンBとり過ぎた女性 股関節骨折リスク上昇

米国の閉経女性を対象とした大規模研究

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

ビタミンB6とビタミンB12を過剰に摂取すると、股関節骨折のリスクを高める恐れがあることが、米国の閉経女性を対象とした大規模研究で明らかになりました。

ビタミンB6、B12と股関節骨折の関係に着目

米国では成人の2人に1人が何らかのサプリメントを使用しているといわれており、使用者の割合は、年齢上昇とともに高くなっています。いろいろなサプリメントの中でもビタミンについては、推奨量を大きく超えて摂取しているサプリメント愛好者が少なくないことが知られています。しかし以前から、ビタミンサプリの高用量摂取が予期せぬ有害事象を引き起こす危険性が示されていました。

今回ノルウェーと米国の研究者たちは、米国の女性看護師を対象とした大規模観察研究のデータを利用して、ビタミンB6とB12の摂取が股関節骨折のリスクと関係するかどうかを検討することにしました。両者の関係に注目したのは、ビタミンB6とB12の両方を治療目的で高用量投与された高ホモシステイン血症の患者において、股関節骨折のリスクが上昇したという報告があったためです。

条件を満たした閉経女性7万5864人を、1984年6月から2014年5月まで平均20.9年追跡し、股関節骨折の有無を調べました。食物摂取とサプリメントの使用に関する調査は4年ごとに行い、食物とサプリメントからのビタミンB6とB12の摂取量の平均を算出しました。

また、ビタミンB6、B12の摂取と股関節骨折の関係に影響を与える可能性のある要因として、BMI(体格指数)、運動習慣、喫煙習慣、がん・糖尿病・心血管疾患・骨粗鬆症の診断、処方薬の使用などに関する情報や、骨折のきっかけとなる転倒のリスクに影響する、身体能力やバランス感覚、貧血の有無、全身的な健康状態などについて情報を得ました。骨折リスクの推定は、それらの要因を考慮した上で行いました。

ビタミンB6、B12の摂取量が多いほど骨折リスクが上昇

追跡期間中に、2304人が股関節骨折を経験していました(外傷やがんなどに起因するものは除外)。骨折時点の年齢の中央値は75.8歳でした。

骨折者のビタミンB6の摂取量は1日当たり3.6mgで、ビタミンB12は12.1μgでした。これらは、米国における成人向けの1日当たりの推奨量(ビタミンB6が1.3~1.7mg、B12が2.4μg)に比べて非常に高い値でした(なお、日本におけるB6の1日当たりの推奨量は、成人男性が1.4mg、女性が1.2mgで、B12は性別に関わりなく2.4μgです)。

分析対象となった参加者全体を、ビタミンB6の1日当たりの摂取量に基づいて5つのグループ(2mg未満、2~4.9mg、5~14.9mg、15~34.9mg、35mg以上)に分け、ビタミンB12についても5つのグループ(5μg未満、5~9.9μg、10~19.9μg、20~29.9μg、30μg以上)に分けました。また、サプリメントのみの摂取量に基づく分類も行って、股関節骨折との関係を検討しました。

その結果、食物とサプリメントからのビタミンB6の1日当たりの摂取量が最も多いグループ(35mg以上)の股関節骨折のリスクは、参照群(2mg未満)の1.29倍に上昇していました。ビタミンB6の摂取量が増えるほど骨折リスクも増える傾向が見られました。

同様に、ビタミンB12の1日当たりの摂取量が最も多いグループ(30μg以上)では、参照群(5μg未満)に比べて骨折リスクが1.25倍となり(ただし統計学的有意差はなし)、やはり摂取量が増加するほど骨折リスクが上昇していました。

食品からの摂取量を除いた、サプリメントからの摂取量に限って分析したところ、やはりビタミンB6、B12の摂取量が多い女性ほど骨折リスクは高くなっていました。サプリメントからの摂取がなかったグループ(参照群)に比べ、ビタミンB6の1日当たりの摂取量が最大(25mg以上)のグループの骨折リスクは1.41倍、ビタミン12の摂取量が最大(25μg以上)のグループでは1.26倍となりました(図1)。

ビタミンB6は1日の平均摂取量が10mg増えるごとに骨折リスクが2%上昇し、ビタミンB12は10μg増えるごとに1%上昇していました。このリスク上昇は、総摂取量についても、サプリメントのみの摂取量についても認められました(統計学的有意差あり)。

股関節骨折のリスクが最も高かったのは、ビタミンB6とB12の両方を過剰摂取していた人で、1日当たりの摂取量が「B6が35mg以上、B12が20μg以上」だった女性では、「B6が2mg未満、B12が10μg未満」の最低摂取群に比べ、股関節骨折リスクが1.47倍になっていました。BMI 25未満(普通体重または低体重)の女性に限って同様の比較を行うと、リスクは1.71倍にもなりました。

著者らは、「これらのビタミンの過剰摂取により股関節骨折のリスクが上昇する理由は現時点では明らかではない」としながらも、「ビタミンサプリの過剰摂取には注意が必要だ」と述べています。

論文は、2019年5月10日付のJAMA Network Open誌電子版に掲載されています[注1]

[注1]Meyer HE, et al. JAMA Netw Open. 2019;2(5):e193591.

大西淳子
医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

[日経Gooday2019年8月23日付記事を再構成]

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_