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映画・連続ドラマ出演数 20代男優は笠松将が1位

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NIKKEI STYLE

タレントパワー20代男優 菅田将暉1位、吉沢亮躍進」では、今、活躍する20代男性俳優たちが、一体どのような作品への出演をきっかけにブレイクしたのかを探った。では彼らに続く、次に注目すべき俳優は誰か。

朝ドラや「男性キャスト中心のコメディ作品」などへの出演が飛躍の決め手の1つとなっているが、近年は思わぬ"場"で飛躍を遂げるケースも目立ってきている。上の世代で言うと、高橋一生と田中圭は10代、20代の頃から主役・脇役を問わず、数多くの作品に出演。そして高橋は連ドラ『民王』(2015年)での毒舌ドS秘書役、田中圭は『おっさんずラブ』(18年)と、どちらも深夜ドラマをきっかけに30代に入ってから花を咲かせた。そう考えると、役柄の大小にこだわらず、数多くの作品に出演する人にチャンスが巡ってくる可能性が高いのではないか。そんな仮説を立てて、連ドラと映画を対象に18年8月からの1年間の出演数をカウントし、ランキング化した。ドラマは東京キー局で放送された4話以上からなる作品を対象としている。それでは、結果を見ていこう。

演技の幅が広い俳優が上位

1位は笠松将という結果になった。作品数は18本に上る。ドラマのゲスト出演が多く、半グレメンバーを演じた『メゾン・ド・ポリス』など10作品に出演。最近はレギュラー出演も増え、『黄昏流星群』(18年)では栞(黒木瞳)の同僚、『平成物語 なんでもないけれど、かけがえのない瞬間』では主人公(山崎紘菜)の相手役を演じた。映画『デイアンドナイト』では犯罪集団のメンバーを熱演してインパクトを残すなど、悪役から温かいキャラクターまで演じ分ける。

2位は、17作品で前原滉。放送中の『あなたの番です』(日本テレビ系)でのとらえどころのない管理人役、と言えば分かる人も多いだろう。前原もゲスト出演が8作品と多いが、朝ドラ『まんぷく』(18年)での"塩軍団"の一員、大河ドラマ『いだてん』での徒歩部の仲間と、NHK作品にレギュラー出演しているのが強み。メガネ姿での出演が多いため、キャラとしての需要もあることもうかがえる。

3位には、15作品で戸塚純貴が続いた。『今日から俺は!!』(18年)などゲスト出演もあるが、連ドラレギュラーも映画も6本と、バランス良く活動している。映画『走れ!T校バスケット部』(18年)のような、男子が集まる作品に引っ張りだこ。ムードメーカーなどコミカルな役柄がはまる存在だ。

ゲスト出演も侮れない

次に、主演やドラマのレギュラーなど、出演作でのポジションの内訳も見た。例えば、昨今のブレイク筆頭株・吉沢亮は、16年は東京キー局放送の連ドラ5作に出演したが、うち4作はゲスト出演だった。だが翌年の17年には連ドラ2作と映画2作で主演と、ステップアップしている。ゲスト出演で経験を積んで結果を出せば、制作スタッフの信頼を得ることにつながり、さらには他の制作者の目に留まる可能性も高まる。

それでは現在、レギュラー出演が多い俳優は誰か。主演を除くレギュラー出演数を見ると、総合ランキングでも上位の矢本悠馬(4位タイ)、岡山天音(4位タイ)、戸塚純貴らが名を連ねる。なかでも、レギュラー出演が飛躍的に増えたという点で注目したいのは、磯村勇斗だ。17年の朝ドラ『ひよっこ』で知名度を上げ、ここ1年のレギュラーでの起用は7作に上る。この他、総合ランキング圏外の神尾楓珠も総出演本数に対して、ドラマのレギュラー出演が多い。「よく見る旬の人」として印象付けられるため、今後、さらなる出演の増加が期待される。

続いて、多くの俳優が目指す場である"主演"の数はどうか。1位は、犬飼貴文、佐野勇斗、野村周平が4作で1位に並んだ。犬飼貴丈は、主人公を務めた『仮面ライダービルド』(17年)関連作が3作を占めている。野村周平は主演俳優としてすでに定着した存在。注目は、総合ランキングでは圏外だった佐野勇斗。主演の4作は『小さな恋のうた』(19年5月)などいずれも映画だ。ちなみに、地上波連ドラと比べて、映画は若手俳優が主演を務めるケースが多い。主演という大役の経験を積む場の1つとなっているようだ。

(ライター 内藤悦子、日経エンタテインメント! 羽田健治)

[日経エンタテインメント! 2019年9月号の記事を再構成]

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