cakeは食べるだけじゃない 慣用表現知らずに大誤解デイビッド・セイン「間違えやすい英語・聞き手編」(15)cake

相手が話した英語を誤解して受け取ってしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんは「日本人が聞き手として勘違いしやすい英語表現がある」と言います。今回取り上げる言葉はcakeです。ケーキといっても食べるだけではありませんよ。

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ユウカとスティーブは、社内のランチミーティング、つまり昼食を取りながらおこなう会議の準備をしていました。参加者の人数が増えることになったので、その分のランチを追加注文しようとするのですが、スティーブが発したひと言にユウカは驚きます。たしかに、その表現を文字どおりに受け取るのならびっくりもするでしょうが、本当の意味は別にあったのです……。

それはこんな会話でした。

Yuka: Have you ordered for the lunch meeting?
Steve: Yeah, I already did.
Yuka: Oh, there'll be one more person.
Steve: So, eight people in total?
Yuka: Yes, could you place an additional order?
Steve: No problem. It's a piece of cake.
Yuka: For lunch?
Steve: Of course.
Yuka: Are you serious?
Steve: Why? What's wrong?

日本語に置き換えると、このような感じになります。

ユウカ:ランチミーティング用の注文はしてある?
スティーブ:うん、もう済んだよ。
ユウカ:あの、もう1人増えるの。
スティーブ:ということは、全部で8人?
ユウカ:そう。追加注文してくれるかしら?
スティーブ:いいよ。お安い御用だ。
ユウカ:ランチに?
スティーブ:もちろん。
ユウカ:本気で言ってるの?
スティーブ:どうして? 何がいけないの?

人に何かを頼まれたときのNo problem.という答えは、単に「問題がないからやる」といった消極的なものではなく、「大丈夫、いいよ」と、より積極的な気持ちを表します。それに続けてスティーブが言ったIt's a piece of cake.も、この流れの中でよい意味を持つ言葉だったのですが、日本人にはあまりなじみのない言い回しだったようです。これを聞いたとき、ユウカは心の中で次のように思ったのでした。

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