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塩レモンの次は塩カボス 刺し身に飲料にブームの兆し魅惑のソルトワールド(33)

カボスは栄養価の高い果実だ

ナトリウム以外のミネラルを含んだ塩は海水塩に多い。パッケージの裏側に記載されている栄養成分表示を見てみてほしい。「食塩相当量」の数値が低ければ低いほど、ナトリウム以外のミネラルが多く含まれているということだ。食塩相当量が表示されいない場合は、「ナトリウム」ないし「塩化ナトリウム」の数値を参考にするとよい。「食塩相当量」と同様に、低ければ低いほどナトリウム以外のミネラルが含まれているということになる。

もし、栄養成分表示がない場合は、ちょっとしっとりしている塩を選ぶと良い。塩がしっとりしているのは、ただの水分ではなくニガリというマグネシウムとカリウムを主体としたミネラル濃縮液によるものだからだ。手に入りやすい塩で例を挙げると、沖縄県の粟国島で生産されている「粟国の塩釜炊き」や、東京都伊豆大島の「海の精」などがある。いずれもしっとりしており、100グラム中の食塩相当量が「粟国の塩釜炊き」で71.7グラム、「海の精」で85.8グラムと、一般的な自然塩に比べてかなり低めになっている。

逆にしっかりしたしょっぱさを残したい人は、「食塩」や、食塩相当量の高い岩塩などを使用すると、パンチのある塩気が残った塩カボスができあがる。

塩カボスは様々な料理に使える

塩カボスができあがったら、みじん切りまたはペースト状にして保管しておくと、使う時に刻んだりする手間が省けるので便利だ。野菜、肉、魚、ご飯、豆腐など、幅広い料理に使うことができる。

もっとも簡単に塩カボスを楽しむことができるのは、野菜の浅漬けだ。キュウリやハクサイ、カブやダイコンなどを適当な大きさに切って袋に入れ、塩カボスを加えてもんでしばらくおいておくだけで、箸休めにぴったりなおいしい浅漬けができあがる。オイルとの相性も抜群なので、イカや白身魚の刺し身を皿に並べて、そこにオリーブオイルと塩カボスを混ぜたものをかけるだけで、和風カルパッチョができあがる。秋から冬にかけておいしい季節を迎えるカキにちょっとのせるのもおすすめだ。

肉料理であれば、鶏肉や豚肉との相性が非常に良いので、焼いた肉に塩カボスをつけて食べたり、さっぱりとさせたければダイコンおろしと塩カボスを混ぜて肉の上にのせたりしてもおいしい。

鍋料理の時に少し加えると、ダシに溶ける時にふわっとカボスの香りが広がり、さらに食欲を増してくれる。鍋に豚肉とハクサイを交互に並べて、少量の水と日本酒を入れて蓋をして加熱し、そこに塩カボスを加えると、シンプルだが最高においしい。冷ややっこや湯豆腐にちょこんとのせても良いし、納豆に混ぜるのもおすすめだ。

また、料理だけでなく、ドリンクにも使えるのが塩カボスの良いところだ。おすすめは「塩カボスはちみつ茶」。マグカップにはちみつ、塩カボスを入れて、湯で溶かすだけでできあがる。カボスも塩もはちみつも身体を温める作用があるので、クーラーなどで冷えてしまった身体を温めるのにふさわしい。残暑の厳しい日中であれば、冷たく冷やしたサイダーに混ぜて「塩カボスサイダー」として楽しむのも良い。

塩カボスは時間の経過とともに色や味わいが徐々に変化していく。「手塩にかけて」育てる感覚を楽しめるのも、塩カボスのよいところなので、ぜひ自家製塩カボスづくりに挑戦してみてほしい。

(一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会代表理事 青山志穂)


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