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食の達人コラム

塩レモンの次は塩カボス 刺し身に飲料にブームの兆し 魅惑のソルトワールド(33)

2019/9/20

塩カボスの作り方はとてもシンプル

数年前にブームを巻き起こした「塩レモン」を覚えているだろうか。レモンを皮ごと塩で漬けて熟成・発酵させるモロッコ発とされる調味料だ。塩レモンは簡単に作ることができて、肉料理や鍋料理に加えると、適度なしょっぱさとレモンのさわやかな風味がいつでも楽しめる「あると便利な1品」だ。今回はこれに匹敵する、旬を迎えているカボスを使った「塩カボス」を紹介したい。

もちろん生のカボスそのままでもおいしいのだが、旬の時期が短く、楽しめる季節は限られる。塩カボスにしておけば、年間を通じて楽しめるようになる上、熟成・発酵させることで、生のカボスにはないうまみやまろやかさがでてくるのだ。 

塩カボスの作り方はいたってシンプルだ。

まず、カボスの表面を塩でゴシゴシとこすり、汚れを取る。塩を水で洗い流してから清潔なふきんなどでふき取り、適当な大きさに切る。8等分のくし切りくらいがおすすめだが、できあがるまでに1週間くらいかかる。もっと早く使いたい場合はカボスをより細かく切ると良い。この段階で種も取り除いておくとよいだろう。切り分けたカボスは保存用のビニールバッグに入れて重さを計る。そこにカボスの重さの10%の重量の塩を加えて、バッグの口を閉じて、塩が全体に行き渡るように振る。できるだけ空気を抜いて封をしたら、そのまま冷蔵庫に入れておくだけだ。

寝かせる目安は1週間ほど。最初の数日は1日に1回もんで、カボスから吸い出された果汁が全体に行き渡るようにするとよい。1週間後にバッグをあけたら、フルーティーでさわやかなカボスの香りが際立つ、塩カボスのできあがり。冷蔵庫で保存すれば、年間を通じてカボスの風味を楽しむことができる。

なお、カボスと似た果物でスダチがある。どちらも未熟状態で収穫されて市場に出される。通年出回ってはいるが、露地栽培の旬は8月から10月で、今が最盛期だ。どちらも「酢ミカン」とも呼ばれる香酸かんきつで、比べるとスダチのほうが果皮が薄く、カボスのほうが酸味が強い。今回は酸味の強いカボスを使用したが、スダチで「塩スダチ」を作ってもおいしい。

カボスにはさまざまな香気成分が含まれており、血行を良くして身体を温めたり、心を静めてストレスを抑えたり、抗酸化作用があったりする成分が含まれるとされる。こうした成分は特に皮の外側に豊富に含まれている。

また、カボスは香りだけでなく、実は栄養価も高い。特に果皮の部分には栄養素が多く、塩カボスにすれば皮ごと使えるので、余すところなく摂取できる。まず代表的なのがビタミンCで、これも特に皮の部分に多く含まれ、抗酸化作用で体内組織の老化防止が期待されている。果肉には、筋肉疲労の原因となる乳酸を分解する働きのあるクエン酸が含まれる。胃液の分泌も促進するので、胸やけや胃痛に悩まされている人にも良さそうだ。

塩カボスを作る際には、ぜひ塩にもこだわってほしい。まろやかで優しい味わいに仕上げるためには、ナトリウムだけしか含まれない塩を使うより、マグネシウムやカリウム、カルシウムなどのミネラルも含んだ塩がおすすめだ。できあがりの味わいが格段に異なるうえ、より高い健康効果が期待される塩カボスができあがる。

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