消費増税、飲食の税率は店しだい? 持ち帰りで複雑に家計を磨く 対策・消費増税(5)

家電量販店の店頭に並ぶ軽減税率対応のレジ(東京都千代田区のビックカメラ有楽町店)
家電量販店の店頭に並ぶ軽減税率対応のレジ(東京都千代田区のビックカメラ有楽町店)

今回の消費増税では軽減税率制度が導入される。スーパーなどで売られる飲食料品(食品表示法に規定、酒類除く)は10月以降も税率が8%に据え置かれ、9月中に慌てて買う必要はない。軽減税率に関連してむしろ気にしたのは10月以降に飲食店を利用する場合だ。

一部の飲食店、同一価格の設定を表明

ファミリーレストランやファストフード店で食事する場合、料理やソフトドリンクは軽減税率の対象にならず標準税率の10%が課される。しかし同じ商品であっても持ち帰り(テークアウト)を選んだ場合は別。飲食料品の扱いとなり、軽減税率の8%で済む。

このため税込み価格を店内飲食用(税率10%)と持ち帰り用(同8%)との2本建てとする店が増えそうだ。吉野家やスターバックスコーヒーなどは税込み価格を店内と持ち帰りで別々とする予定。食券機のボタンを2本建てにする飲食店もありそう。利用客は持ち帰りを選べば税率差分の節約になる。

もっとも、注文する際に持ち帰りと頼んでおきながら店内で食べる人もいるかもしれない。同じ商品なのに価格が2本建てだと客が混乱しかねない。そうした理由から一部の飲食店は、店内用と持ち帰り用の価格を区別せず、税込みで同一価格に設定する予定だ。

大手ではマクドナルドやすき家、サイゼリヤなどが同一価格の設定を表明済み。この場合、客は迷う心配はないが持ち帰りを選んでも節約にはならない。

一般に店側は客が払った代金の中から消費税相当額を国に納める必要があるため、メニュー全体で平均した価格を10月以降引き上げるケースもありそうだ。

コンビニ各社「イートイン」は申告で

飲食に関連してもう一つ知っておきたいのが「イートイン」。コンビニエンスストアではここ数年、弁当などの販売食品を店内で食べられるスペースを設ける例が多い。店内設置のテーブルやイスを利用して飲食した場合、本来なら軽減税率が適用される飲食料品も対象から外れ、税率が10%になる。弁当は持ち帰って食べるのがお得だ。

コンビニ各社は持ち帰り客が大半であることから、軽減税率商品の値札には税率8%込みの価格を表示する方向だ。店内で食べたいという客向けには「申し出てください」とポスターなどで掲示し、申告があれば税率10%込みの価格で販売する見通しだ。

この他紛らわしい例に特急電車などでの車内飲食がある。販売員がカートで運んでくる商品は8%の軽減税率、食堂車での食事は10%となるのが税制上の決まり。また酒やビール(アルコール分1度以上)は税率が10%となり、みりんや料理酒も含まれる。1度未満のみりん風調味料や甘酒は軽減税率の8%だ。

景品付きのお菓子、食品と食品以外がセットになった福袋も紛らわしい。価格が1万円以下で、飲食料品の割合が3分の2以上であれば全体に軽減税率が適用される。

(成瀬美和)

[日本経済新聞朝刊2019年9月14日付]