マネー研究所

ポイント賢者への道

キャッシュレス主戦場 スマホ決済からクレジットへ ポイント賢者への道(131)

NIKKEIプラス1

2019/9/18

写真はイメージ=PIXTA

消費増税に伴い始まるキャッシュレス決済のポイント還元事業について関心が一段と高まっています。中小の対象店舗で最高5%の還元を受けられてうれしい仕組みですが、十分理解されていない面もあります。

まず還元は永遠に続くものではなく来年6月末までの期間限定です。なぜ9カ月という中途半端な期間なのでしょう。筆者が思うに来年7月に始まる東京五輪と関係があります。6月末まではポイント還元の効果で消費の落ち込みを抑え、その後は五輪・パラリンピックの開催で消費を喚起する。政府が描くシナリオはそんな感じでしょう。

もう一点、還元事業は対象をなぜキャッシュレスに限定しているのか。こちらも東京五輪に関係があります。開催期間中は多くの人が訪日しますが、外国人には現金払いよりキャッシュレスの方が便利です。政府はもともと成長戦略の中でインバウンド消費の拡大を狙ってキャッシュレス普及をうたっています。その目標に向けポイント還元事業を利用しているのです。

最近○○ペイというコード決済アプリが話題です。一部は中国や韓国などで普及するアプリと提携し、それらの利用者なら日本でも対応店舗があります。しかし他の国々から訪れる人が日本でコード決済を利用する機会はないでしょう。そもそもコード決済の多くは日本限定の仕様であり、海外では使えません。

世界で最も普及するキャッシュレス決済といえばクレジットカードです。政府が普及の本丸と期待するのもクレカのはずです。流行のコード決済への関心は次第に薄れ、五輪に向けてクレカが再注目されそうです。これまで対応に消極的だった中小の飲食店や商店も導入を考えるべき時期にあります。利用者から見たクレカの利便性はさらに高まっていくと思われます。

菊地崇仁
北海道札幌市出身。1998年に法政大学工学部を卒業後、NTTに入社。社内システムやLモードの料金システムの開発などに携わり、2002年に退社。同年、友人と共に起業し、システムの設計・開発・運用を行う。06年、ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、11年3月代表取締役に就任。一般からプラチナまで、57枚のクレジットカードを所有。

[NIKKEIプラス1 2019年9月14日付]

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