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充電は? フィルムカメラ女子が頼りにする銀塩専門店

デジタルでは撮れない写真を求めて 最新フィルムカメラ最前線(2)

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NIKKEI STYLE

若い女性を中心に人気が高まっているフィルムカメラ(記事「フィルムカメラ女子 『私は一眼レフよりコンパクト』」参照)。メルカリなどインターネットオークションで手に入れる人も多いが、その一方でSNSなどでは、フィルムカメラに力を入れているというカメラ店も見かけるようになった。それらの店にはどんな人が訪れるのか。「ビギナーの質問にも答えられる店を目指している」という「VOIDLENS」の児玉浩宜さんに話を聞いた。

◇  ◇  ◇

VOIDLENSはJR高円寺の北口から3分ほど歩いた静かな商店街の中にある。古い木造の建物を改装したらしい店構えは、大きな看板などはないこともあって、注意していないと通り過ぎてしまいそう。中に入ると木製の棚や本箱に、無造作にカメラが並んでいて、カメラ店というよりも、気取らない雑貨店のような雰囲気だ。並んでいるカメラも高機能な一眼レフではなく、もっと身近なコンパクトカメラが中心になっている。

――このお店を始めたきっかけを教えてください。

僕はもともとフリーランスで写真を撮っていたんです。香港に写真を撮りに行ったりもしているのですが、3年ぐらい前に香港人の友人に「今、香港でフィルムカメラがすごくはやっていて、日本でも絶対はやるから、やったほうがいい」って言われたんですよ。それで、借りていた高円寺のガード下の事務所にカメラを5台くらい並べて店を始めてみたんです。でも最初は、そんなにはやる感じはしなかったですね。

――宣伝はどうやっていたんですか?

実はほとんど宣伝していません。インスタグラムをやっているぐらいで、他は全然。だから、ウチでカメラを買った人がインスタに撮った写真を上げて、それを見た友達に「どこで買ったの?」って聞かれて、その友達を店に連れてきてくれるみたいなことが多いですね。

「Wi-Fiはありますか」「スマホとの接続は?」

――フィルムカメラを買いに来るお客さんは、どんな人ですか?

だいたいが大学生から20代前半の若い子ですね。女性が7、8割で圧倒的に多いかな。

――「フィルムカメラは初めて」という方も多いですか?

多いですね。ウチは基本的に、ビギナー向けのお店にしたいんです。マニア向けとかプロ向けにフィルムカメラを扱っているお店はいっぱいあるけど、そういうところはビギナーは入りにくいですから。

ウチに来るフィルムカメラを知らない人は「Wi-Fi機能はついていますか」「スマホとどうやってつなげればいいですか」「充電はUSBですか」とか聞いてくるレベルなので、そこを根気強く説明しています。

そういうレベルの話は、たぶん他の店では気軽に聞けない。だからウチは、そういうレベルの質問ができる、入り口の店にしたいと思っています。

――初めての人が買うのは、どんなカメラですか?

一眼レフにあこがれる人も多いけど、ウチはあまりお勧めしないですね。

――どうしてですか?

一眼レフは重いし、使い方が難しいから、結局使わなくなっちゃうんです。それは避けたいから、できるだけ軽くて持ち運びしやすい、オートフォーカスのコンパクトカメラをお薦めしています。こちらが薦めたコンパクトカメラの中から、あとは見た目で選ぶという人も多いですね。

――デザインで選ばれるのはどんなカメラですか?

オリンパスの「ペン」シリーズとかですね。コニカの「現場監督」も、ゴツイところがカワイイって人気です。

――写りがいいとか悪いとかは、あまり気にしないのでしょうか。

初めての人はあまりに気にしないですね。お店としても、最初はコンパクトカメラで気軽に撮って、それがフィルムでの撮影にはまるきっかけになってくれればいいと思っています。だから基本は1万円前後。7000円~8000円程度で買いやすいカメラもそろえています。

フィルムカメラが人気のワケ

――なぜ今、フィルムカメラが人気になっているのでしょうか?

「フィルムで撮ったほうが『いいね!』がたくさんもらえる」っていうのが発端だと思うんですよ。ずばりいうと、インスタの「いいね!」が欲しいんです。インスタがなかったら、たぶんうちの店も続いていないんじゃないかな。みんな、インスタに載せるためにフィルムで撮っているみたいなところがあるから。

――「いいね!」が欲しいっていうのは、非常にシンプルですね。

インスタを見ていると、みんな自分が写ること、自撮りみたいなことに抵抗がなくなっていると感じます。例えばファッションが好きな子なら、自分のコーディネートを誰かに撮ってもらったり、自分で撮ったりする人もすごく多いし。モデル志望の子で、カメラマンに撮ってもらうとお金がかかるから、セルフタイマーを使って自撮りしている子もいます。これも突き詰めていくと、「いいね!」が欲しいということにつながっていくんじゃないかと。「いいね!」の数が自分に対する評価だと感じているというか。まあ、男の子の場合は、単純にもてたいというのもあるみたいですけど(笑)。

――フィルムで撮った写真には「いいね!」 がもらえる何かがあるということですか?

うーん、そこは僕もよくわからないところですね。ただ今や、「いいね!」の数やフォロワーの数が、その人の評価になっちゃっている部分があるのは、若い女の子だけじゃないと思います。カメラマンを探している出版社やPR会社も、実際に撮っている写真ではなく可視化されているフォロワーの数でしか選ばなくなっている傾向があるんです。写真に対する視点そのものが、変わっているんだと感じています。若い人たちのフィルム人気も、そういう現在の写真に対する視点から生まれているんじゃないかという気もするんですけどね。

――そういう現状で児玉さんは店に来る若い人たちにどうフィルムを楽しんでほしいと感じていますか?

最初は楽しいから撮るだけでいいと思うんですけよ。でもはまった人には、フィルムで撮った写真に何ができるのかということを、考えてもらえるとうれしいですね。

◇  ◇  ◇

取材の最中にVOIDLENSを訪れた若い女性の二人連れは、高校時代は写真部で「写ルンです」で写真を撮っていたけれど、大学生になってまた写真を撮りたくなったといいながら、ズーム付きのペンタックスのAFコンパクトカメラを購入。続いて来店した若い男性の二人連れは「かわいい」を連発しながらちょっとレトロなデザインのピッカリコニカを買っていった。平日の午後、わずか20分あまりの出来事で、フィルムカメラの人気の一端を感じさせられた。

デジタルでは撮れない写真を求めて 最新フィルムカメラ最前線
フィルムカメラ女子 「私は一眼レフよりコンパクト」
充電は? フィルムカメラ女子が頼りにする銀塩専門店

(文・写真 吉田眞木 ※この記事の写真はネガフィルムで撮影しました)

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