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「月面着陸」をライターで表現 デュポンの芸術技

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ダンヒルは「水槽」をイメージした新作

2019.9.15

世界的な禁煙の流れでライターの需要減少が続いているが、一方でマニアのコレクター心をくすぐる、オブジェのような装飾を施した超高級ライターを続々誕生させているのが仏S.T.デュポンだ。月面着陸や熱気球に着想した一連の作品は「オートクレアシオン」と名付けられた、熟練職人の技を結集した芸術的作品。価格は数百万円~数千万円。まさに超絶技巧を駆使したものばかりが並ぶ。




■工芸価値の高いライターにシフト

1872年に創業したS.T.デュポンは富裕層の旅行用トランク製造からはじめ、付属物としてライターなどの小物製作で金銀細工の技を磨いた。1941年にインドのマハラジャからライター注文を受けたのを機に名声が高まり、主力商品をライターに移していった。

一般的なライターの需要が低迷するなかで、同社は工芸価値が高いライター製作に力を入れてきた。中でも毎年、最高水準の逸品をデザイン・製作するのが2010年に創設された「オートクレアシオン」部門だ。宝石や希少な素材をぜいたくに使い、超絶技巧を施した驚きの作品ばかり。10周年を迎えた今年の新作を見ていこう。

まずはアポロ11号の月面着陸50周年を祝した「アポロ」2種。

「アポロ ライター&ベース」355万5000円。世界限定11個

一つはトップ画像のもので、宇宙船が月面着陸するシーンを表現している。黒曜石を使い、ラピスラズリやゴールドで彩っている。遊泳している宇宙飛行士はライターで、着陸船のトップのつまみを引くとUSBメモリが表れる。「USBには本物のムーンダストパウダーが入っています」とエス・テー・デュポンジャポン。

もう1つの「アポロ」は趣が異なるブロンズの独特の風合いが特徴のアポロだ。司令船の扉が開くと月面着陸が彫刻されたライターが現れる。