特に就業規則に以下のような書き方がされている場合には、極端な場合賞与がゼロになることもあります。

「賞与は、原則として、下記の算定対象期間に在籍した労働者に対し、会社の業績等を勘案して下記の支給日に支給する。ただし、会社の業績の著しい低下その他やむを得ない事由により、支給時期を延期し、又は支給しないことがある」

支給時期の延期や支給しないことがある、という記述で、賞与が必ず払われる報酬ではないということを示した就業規則上の記述です。

ちなみにこの記述は、厚生労働省のモデル就業規則によるものなので、今後このような記述に改める会社はどんどん増えていくことでしょう。

なぜ賞与がこのような扱いがされているのか、といえば、諸説ありますが、高度成長期の好業績時に、経営者側が給与を上げるのではなく一時金で支払おうとしたためという説が一般的です。従業員側も、本当は給与を増やしてほしいけれど、もらえないよりはもらえるほうが良いということで、その条件を飲みました。

そうして今慣習化しているわけですが、経営者からすれば業績が下がった際の安全弁として使える便利な報酬となったわけです。

総額が多いほうを選ぶか、リスクなく受け取れる方を選ぶか

このように見比べてみると、以下のように整理できることがわかります。

【専門商社A】
年収417万円
ただし以下の給与については状況によって変動する可能性あり。
・住宅手当 15,000円×12カ月=18万円
・家族手当 15,000円×12カ月=18万円
・資格手当 5,000円×12カ月=6万円
・賞与   70万円
⇒確実に受け取れる年収 300万円(25万円×12カ月)
【専門商社B】
年収408万円
⇒確実に受け取れる年収 408万円(34万円×12カ月)

さてあなたなら、どちらの会社の方が得だと思いますか?

平康慶浩
 セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。高度人材養成機構理事リーダーシップ開発センター長。

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