給与制度は会社からのメッセージ

もしあなたが直感的に「年収が高いほうが良いからA社に決まっている」と考えたとしたら、ぜひ以下の点に注意して考え直してみてください。

「住宅手当の支給条件」

一般的な会社の住宅手当は、従業員本人が借主であり、かつ世帯主である場合にのみ支給されます。また独身であることや家族がいることが条件の場合もあります。

さらに、ずっと支給されるのではなく、入社後5年とか、あるいは管理職になるまでなどの年限が定められている場合もあります。

無条件で住宅手当を支給している会社もありますが、条件があるのならそれを確認しておきましょう。そして自分がその条件から外れる可能性があるかどうかを考えてみてください。

「家族手当の支給条件」

多くの会社の家族手当は、配偶者の年収が配偶者控除額以下であることを条件にしています。ということは、もし配偶者が一定以上の年収を得たら手当はなくなります。

もしあなたの配偶者が将来働いて控除基準額以上の収入を得る予定があるのなら、少なくともその会社の年収の多寡を確認するときに計算しないほうがよいでしょう。

また家族手当は近年見直しが進んでいるものの一つです。そのきっかけは少子高齢化と共働き化です。そのため、配偶者に対しての支給額を減らしたりなくしたりしてしまい、子どもに対してだけ支給する例も増えています。

あなたがこれから働こうとする会社でも、おそらく手当の見直し検討はされているはずです。今出ている手当が今後も出るとは限らないのです。

「資格手当の支給条件」

資格手当が整備されている会社では、必須の資格と、取得を促進したい資格それぞれで手当の位置づけを変えている場合があります。

たとえば会計事務所や税理士事務所では、資格がなくてはそもそもビジネスが成り立ちません。だから資格手当はずっと支払われるか、むしろまったく支払われない(代わりに採用条件になる)ことが一般的です。

一方、資格取得を促進したい場合の資格手当は、支給期間が決まっていることも多いのです。たとえば従業員の英語力を高めたい場合に、英検2級で1,000円、1級で3,000円の手当を支払う例がありますが、資格取得から1年に限定する、などの条件を定めていたりするわけです。

あなたが受け取る予定の資格手当に条件はないでしょうか。

経営者にとって賞与は人件費の安全弁

さらにもっと重要なことに、賞与の存在があります。

日本で働いている私たちは、夏冬賞与の存在に慣れていてあたりまえだと思うかもしれません。けれども、夏と冬に決まって賞与を支給する会社は世界的に珍しいのです。そして法律上、会社は賞与を支給する義務はありません。

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総額が多いほうを選ぶか、リスクなく受け取れる方を選