疲れた人が集まる東京駅 爆売れする人生の指南書とはマルノウチリーディングスタイル

「世界の半分しか知らない」会社員

トークイベントに合わせてpha氏と長江氏のコーナーを設置

土日が休みの会社員をやっていると、平日の昼間に自分が住んでいる町がどんな雰囲気なのかを、あまり知らない。平日の昼間は、銭湯でもファミレスでも公園でも人が少なくてすいている。著者自身、会社員をやめて良かったことの一つが平日の昼にぶらぶらできることだという。その意味で一般的な会社員は「世界の半分しかしらないようなもの」なのだ。ほんの少し発想を変えるだけで、もっとラクに生きられるはずだというのが著者のメッセージなのである。

同書店スタッフの長江貴士氏は「『しないこと』というタイトルに引かれて、疲れている人が手に取ってくれるようです」という。9月25日には『しないことリスト』の1000冊突破記念と銘打って、著者のpha氏と長江氏が店内のカフェでトークイベントを開く予定だ(イベント概要はこちら>>)。

長江氏自身、大学中退後に「ひきこもり」の経験がある。フリーター生活の後、2015年に岩手県盛岡市にある「さわや書店」に就職。その後、今の会社に転職した。7月には『このままなんとなく、あとウン十年も生きるなんて マジ絶望』(秀和システム)という本を出版した。

落ち着いた雰囲気のカフェを併設していることもあり来店客の6割程度を女性が占めるマルノウチリーディングスタイル。コンセプトとして「働くを楽しく、働くを新しく」を打ち出している。日本を代表するオフィス街に立地するだけにビジネス需要は十分意識しているものの、「スキル」や「学習」に加えて、生き方やライフスタイルに関する書籍も積極的に発信している。

「まず本に親しみを持ってもらうことを一番に狙っています。分厚い書籍や文字が細かい本は敬遠されがちなので、読みやすい文庫本の品ぞろえに力を入れています」(長江氏)

「話すチカラ」の指南書が3位

同書店のビジネス書ランキング(2019年9月2日~8日)を見ると150ページ前後の薄手の文庫本が上位に並んだ。3位は『話すチカラをつくる本』で、「おとなの小論文教室。」が知られる山田ズーニー氏による話し方の指南書だ。4位が「猫の写真を飾ると生産性が44%アップする」など日常生活のちょっとした行動でメンタルリズムを変えるためのヒントを満載した『あなたを変える52の心理ルール』。「くまモン」生みの親としても知られるトップクリエーターがポジティブ発想を説いた『明日は心でできている』が5位だった。1位は売れ続けている『しないことリスト』。『農業大国アメリカで広がる「小さな農業」』が、店舗内カフェで出版記念イベントを行ったため2位となっている。

(若杉敏也)

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