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メインの平台とその上のベストセラー紹介コーナーに面陳列で展示する(リブロ汐留シオサイト店)

メインの平台とその上のベストセラー紹介コーナーに面陳列で展示する(リブロ汐留シオサイト店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測しているリブロ汐留シオサイト店だ。9月に入ったが、まだ有力な新刊は出てこない。世界を正しく見る習慣を説いた『FACTFULNESS』、より良く生きる思考法を集めた『Think clearly』の2強が今もビジネス書の売り上げを引っ張る。そんなランキング上位の常連に加わってきたのは、人気ウェブライターが書くための考え方を説いた文章術の本だった。

著者は「青年失業家」を自称

その本は田中泰延『読みたいことを、書けばいい。』(ダイヤモンド社)。6月の刊行で、これまでも何度か本欄で紹介するベスト5の1冊として登場していた。著者の田中氏は電通で24年間コピーライター・CMプランナーとして過ごし、「2016年に退職、『青年失業家』を自称しフリーランスとしてインターネット上で執筆活動を開始」と本書の略歴にある。その活動の中で書いた映画評や身辺雑記が多くのページビューを獲得する人気コラムになった。これに目をつけた編集者の依頼ででき上がったのがこの本だ。

多くの読者は「バズる文章術」的な内容を想像して本書を手に取るだろうが、そんなテクニックや方法論は実はこの本には出てこない。著者は序章で「書くための考え方を示す本」と語り、「この本は、そのような無益な文章術や空虚な目標に向かう生き方よりも、書くことの本来の楽しさと、ちょっとのめんどくささを、あなたに知ってもらいたいという気持ちで書かれた」と語る。ここから出発して「なにを書くのか」「だれに書くのか」「どう書くのか」「なぜ書くのか」と話を進めていくのだ。

4つの問いは章のタイトルで、それぞれの章は「ことばを疑うことから始める」とか「ターゲットなど想定しなくていい」「物書きは『調べる』が9割9分5厘6毛」など、いくぶんテクニックめいた標語をタイトルにした5~8の節で構成されてはいる。だが、それは著者自身が心がけている態度であって、文章を簡単に上手に書く方法というわけではない。

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