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カリスマの直言

SDGs実現、官民ファンドで資金創出を(渋沢健) コモンズ投信会長

2019/9/16

筆者(左から2人目)が参加したパネルディスカッション。SDGsと日本での社会的インパクト投資の普及を中心に議論を交わした

9月初旬に都内で開いた「社会的インパクト投資フォーラム2019」というシンポジウムにパネリストとして参加しました。主催はGSG国内諮問委員会(委員長=小宮山宏・三菱総合研究所理事長)などです。同委員会は社会的インパクト投資の普及を進める国際団体、グローバル・ステアリング・グループ(本部ロンドン)の日本組織で、今年の会合のテーマとして「ポストG20:SDGsの達成に向けたイノバティブファイナンスの可能性」を掲げました。

■SDGsに関心高まる

社会的インパクト投資は人によって定義に濃淡がありますが、貧困や環境など様々な社会問題の解決に取り組む企業や組織に資金を提供するとともに経済的なリターンを求める活動で、慈善活動ではありません。13年の主要8カ国(G8)首脳会議で取り上げられ、注目を集めるようになりました。一方、SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)は15年に国連総会で人類の共通目標として満場一致で採択されました。国際社会が持続可能な発展のため30年までに達成すべき17の目標を定めています。シンポジウム当日は貧困や環境問題に取り組む人々だけでなく大手銀行、生命保険会社、金融庁などからの参加者も多く、日本社会の新たな時代の潮流を感じました。

今回のシンポジウムがSDGsをテーマとした背景には、SDGsの実現に向けた動きが加速していることがあります。政府のSDGs推進本部(本部長=安倍晋三首相)は「拡大版SDGsアクションプラン2019」で「SDGsの力強い担い手たる日本の姿を国際社会に示す」という基本方針を示したうえで「2030年までにSDGsを達成するには、年間約2.5兆ドルもの資金が不足していると言われる中、この資金ギャップを克服するためには、革新的資金調達の方法を考える必要がある」と指摘しています。

安倍首相は6月末のG20首脳会議でも「日本は地球規模課題の解決に必要な資金確保のため、社会的インパクト投資や休眠預金を含む多様で革新的な資金調達の在り方を検討し、国際的議論の先頭に立つ考えです」と強調しました。これに先だって今春に外務省では「SDGsの達成のための新たな資金を考える有識者懇談会」が設置されています。

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