2019/9/20

林さんのように、インターン経験を通じて、大学生活を充実させる学生も近年、増えて来ました。その背景にあるのは、大学側と企業側によるインターンへの期待です。

大学側は、学生たちの将来のキャリア選択に生かすために就業体験としてインターンプログラムの機会を増やしています。また、企業側は、新卒一括採用から通年採用の転換の中で、学生への早期接触や就業体験の提供を狙いとして、インターンを導入するようになってきました。

一方で、「とりまインターン」というように、就活で必要だから、皆が行っているからという理由でとりあえず参加するという学生も増えています。また、インターンに足しげく通うことは「意識高い系」だと引いてしまっている学生もいます。インターンへの認知は高まったものの、就活に結びつけられていたり、過剰な期待やハードルの高いイメージができてしまったりして、本来の意味が見失われている面があるようにも思い、インターンへ行く意味について改めて考えてほしいというのが本稿の狙いです。

「インターン先を厳選する必要はない」

最近は1~2年生のうちからキャリアを意識し、アルバイトではなく長期インターンを選ぶ学生も出てきています。しかし、大学の単位を取りながら、週3日程度の勤務が求められる長期インターンに参加するのは、多くの学生にとって現実的に厳しいものです。インターンに特化した求人サービス「InfrA(インフラ)」を運営しているTraimmu(トレイム)の高橋慶治社長は、長期インターンの参加が難しい場合は、長期休暇などを利用して3日以上から1カ月までの短期・中期のインターンに挑戦することを推奨しています。

トレイムの高橋社長は「学校外に踏み出す一歩が重要」と語る

数時間や1日で終わる超短期インターンでは、働くことを学べません。働くことや企業に興味を持つ入り口というぐらいに考えておいた方がいいでしょう。すでに夏季のインターンは終盤ですが、3年生の人はぜひ冬で短期・中期のインターンに目を向けてみてください。

どんな企業を選んだらいいか、私も学生からよく質問を受けますが、高橋社長はこう言います。「インターンで大切なことは、まず大学の外へと一歩踏み出すことです。学生の同質コミュニティーを出て、社会人と接する機会を作ることが重要です。インターン先を厳選する必要はありません。失敗したなと思っても、それも得がたい経験になります。働くことのリアルに触れることが大事なのです」

もし、ただなんとなく大学生活を送っている「ポスト高校生」なら、尻込みせずに、インターンにエントリーしてみましょう。アルバイトとは違った経験を得ることができます。「プレ社会人」へのトランスフォームは、1日にしてならずです。

そして、実際にビジネスシーンに足を運ぶようになると、改めて「学びの大切さ」に気づくことになります。また、学んだ知識や理論を現場で取り入れてみることで、あらたなやりがいに気がつくはずです。

内定をゴールにした就活ではなく、今後のキャリア形成を見据えた大学生活を過ごすのも悪くないと思います。

田中研之輔
1976年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程を経て、メルボルン大学、カリフォルニア大学バークレー校で客員研究員をつとめる。2008年に帰国し、法政大学キャリアデザイン学部教授。大学と企業をつなぐ連携プロジェクトを数多く手がける。企業の取締役、社外顧問を14社歴任。著書に『プロティアン―70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術』(日経BP社)など。
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