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28歳、どう生きる 品川女子学院の人生デザイン教育

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日経doors

女性にとって仕事とプライベートのターニングポイントがやってくる28歳前後。品川女子学院(東京・品川)は、28歳時点での女性のライフデザインに必要なことを逆算して中学・高校で学ぶ「28プロジェクト」を実施しています。自らの経験からライフデザイン教育に取り組み、卒業生の活躍を見守ってきた理事長の漆紫穂子さんに、アラサー女性がキャリアと出産について知っておくべきことをお聞きしました。

◇  ◇  ◇

「高校時代の同級生が集まってよく言っていたのが、『女性と男性でライフデザインが違うんだとあの頃教えてくれていたら、違う選択があったかもしれないね』ということでした」

品川女子学院中等部・高等部が取り組んでいるライフデザイン教育「28プロジェクト」。始まりは、理事長の漆紫穂子さんのこうした経験でした。

女性のライフデザインを早くに知っていれば…

漆さんは東京都立日比谷高校の出身。同級生のほとんどが大学に進学したものの、女性はその後の人生が大きく分かれたのです。

「出席番号は五十音順、男女平等の学校で、女子も男子と同じ未来が待っていると思っていました。しかし、難関校に進学した女性たちで、早めに出産して一度仕事を辞めた人たちは、その後復帰ができなかったケースもありました。一方で、キャリアを究めていった人たちは40歳前後になって気付くと出産が難しくなっていた。こうしたことは当時、教えてくれる人がいませんでした」

仕事と家庭の両立が困難だった世代。働きたいと言う妻に「家のことをちゃんとやってくれるなら働いてもいいよ」と答える夫が普通にいた時代です。

しかし、人口減少が進んでいく今後の日本で、女性の労働力は不可欠。女性にとってチャンスも責任もますます大きくなっていくでしょう。それなのに、女性がキャリアとプライベートの両方について考える教育の機会は、以前とあまり変わっていないと漆さんは感じています。

ターニングポイントを迎える世代が知っておくべきことは、何でしょうか?

女性の仕事のピークは早く来る

「女性のキャリアには2つのピークがあると思います。1つは20代の働き盛りのピーク。もう1つが40代後半以降で、男性とは明らかに違います」(漆さん)

女性の最初のピークが20代にあることを考えれば、「早めにいろいろな経験をしてキャリアを積むことで、出産、復職してからも引き続き活躍しやすい環境ができるはず。企業側にも、そういう視点で人材育成のトラックを分けて考えてほしいと提言しています」

最近は働き方の選択肢を増やし、働きやすさのための施策を打つ企業が増えてはいます。しかし「『働きやすさ』だけでなく、『活躍しやすさ』という視点も忘れてほしくない」と漆さんは言います。

「例えば、出産して復職するときに元のポジションで活躍を続けられるのかどうか。育休後の復職率がどのくらいという一般的な数字だけでなく、どのポジションにどのくらい戻っているのかなど、仕事を選ぶ時点で把握しておく必要があるでしょう」

同校の卒業生の進路やキャリアの選択には、以前とは違った傾向が出てきているそうです。

「以前だったら、大学卒業後、一部上場の企業や金融機関に総合職で入社することを目指した卒業生たちが、最近はそうした大企業に内定をもらっていながらベンチャーや外資系企業に就職する人が出てきました。理由を聞くと、より早く自分を磨きたい、厳しい環境で早く力を付けたいからだといいます」

また、早めに出産するケースも目立つそうです。会計士の資格を取って会計事務所に就職してすぐ出産したり、大学院に進学して在学中に院生同士で結婚、出産したりするケースなど。プライベートを前倒ししてその後にキャリアを積んでいく例と言えます。

自分のキャリアは一人で作らなくてもいい

漆さんは以前、それぞれにキャリアを究めた40代後半の女性5人と食事をしていたときに、ふと気付いたことがあったそうです。

「5人のうち4人までが、夫(パートナー)を経済的に支えていた時期があったのです。一人の女性は、大学院生の夫を扶養家族にした時期がありました。別の女性は出産、復職した直後に部門長に抜てきされて両立に悩んだら、夫がフリーランスになって子育てをしてくれた。私自身も、夫が地方で就職していて、学校経営のために私がそちらへ移ることができなかったため、夫が退職してこちらへ来てくれました。その後、夫が資格を取るために大学院に行ったときは私が彼を支えました」

女性がステップアップする際には男性が支援して、一段落したら今度は女性が男性のキャリアを支援する。一人でキャリアを作っていくのではなく、支え合って交代でキャリアを築いていくという道もあるのですね。

「そのためにもパートナー選びはとても重要。対等に互いの仕事や人生を尊重し合うことが一番大事かなと思います」

漆さんは卒業生に「恋愛の段階で『家訓』を作りなさい」とアドバイスするそうです。「恋愛感情だけで結婚してしまって出産や育児に対するビジョンが違っていると、女性に余計に負担が掛かってきます。生まれ育った環境の価値観はそれぞれ違うので、結婚後、特に子育てに関してぶつかり合うことが多い。お互いが共通して大事にできる価値観を、結婚前に確認しておきましょう」

ライフプランに関わる情報を得ておく

そして、妊娠・出産に関する情報を得ておくこと、自分の体について状態を把握しておくことも「後の人生設計に影響をもたらす可能性があります」。

妊娠・出産は順調なケースばかりとは限りません。品川女子学院では産科医や助産師を迎えた授業で、出産や新生児医療の現場の話にも触れます。高等部1年生時に1学期間かけて行う「生命倫理」の授業では、不妊治療の方法や代理出産、出生前診断などを学びます。生徒がペアになり、妊娠中の夫婦という想定で、出生前診断を受けるかどうかをロールプレイングで討論する授業もあります。

家族の形も多様化しています。凍結卵子からの出産、代理出産による家族、LGBTのパートナーとの子育てなど、現実にいろいろな選択肢があることを知っておくこともライフプランにとって大きな意味があります。

「女性は周囲にまだロールモデルが少なく、キャリアと出産に関して自分一人で抱え込んで悩んだり、仕事上のチャレンジに尻込みしてしまったりすることもあると思います。その際に、ライフプランに関わる情報があれば、もし難しい状況に直面したときも前向きに受け止めて、乗り越えていける力が生まれるのではないでしょうか」

(取材・文 秋山知子=日経doors編集部<取材時>、写真 都築雅人)

[日経doors 2019年6月19日付の掲載記事を基に再構成]

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