漫画デザインと低価格がウリ 浜松町に若者向けホテル
注目の新製品や新サービスをピックアップ、市場性や開発者の声などから、日経トレンディ記者が大胆に「ヒット予報」をする。今回取り上げたのは、外国人観光客をターゲットとする宿泊施設「ホテルタビノス浜松町」だ。
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日本の玄関口・羽田空港にアクセスしやすいエリアで、ミレニアル世代の訪日外国人観光客をターゲットとするホテルが2019年8月にオープンした。藤田観光が手掛ける「ホテルタビノス浜松町」だ。
最大の特徴は「漫画」を前面に打ち出したデザイン。思わず写真を撮りたくなる空間がロビーから客室まで広がる。コンセントやアメニティーのある場所なども漫画のイラストで示しており、機能面でも外国人観光客に優しい。
昭和の雰囲気漂うレトロなイラストとは対照的なのが、AI(人工知能)コンシェルジュから自動チェックイン機、セルフクロークまである最新の設備。通常業務の手間を省き、ホテルスタッフが客とのコミュニケーションに集中しやすくなっている。「モノよりコトを重視するミレニアル世代のニーズを意識した」(同社)といい、ロビーにはコーヒーマシンに加え、朝食時間帯は無料の軽食なども用意。人の集まる場が充実している。
宿泊にはあまり費用をかけず、外で目いっぱい観光したら部屋では寝るだけというのもこの世代の特徴。そのため客室の広さもコンパクトな12平方メートルが基本で、スイートルームは設けない。部屋数を増やし、若者でも手の届きやすい宿泊料金を実現した。
第2弾は20年5月に浅草で開業予定。「21年までにはインバウンドが多い都市を中心に5軒の展開が目標」(同社)という。
ミレニアル世代の外国人客を狙う新ホテル コト消費=漫画で勝負(画像)ターゲットを絞り込んだ設計が奏功し、予約状況は好調だという。ホテル周辺の竹芝エリアとJR浜松町駅を結ぶ歩行者デッキも東京オリンピック前に完成予定で、若い訪日外国人観光客を呼び込みそうだ。
(写真:高山透)
[日経トレンディ2019年10月号の記事を再構成]
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