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学生と企業の接点を模索 就活カフェ誕生までの軌跡 「知るカフェ」運営のエンリッション 柿本祐輔社長

2019/9/18

「知るカフェ」を運営するエンリッションの柿本社長

東京大学や早稲田大学など有名大学のキャンパスの近くに企業と学生が交流できる「就活カフェ」が次々オープンしている。その先駆者となったのが、キャリア支援サービスのエンリッションが運営する「知るカフェ」だ。起業のアイデアは、柿本祐輔社長が同志社大で就活生だった頃に感じた1つの素朴な疑問から始まった。

■企業の実態を知らずに就活することに疑問

1日に約3500人の学生が来店するという「知るカフェ」。学生は無料で飲料を注文できるなどの手軽さが受け、店内は学生でにぎわう。勉強する学生や、友人とおしゃべりをしている学生がおり、一見すると普通のカフェだが、人事担当者が訪れたり、企業の情報が店内の液晶モニターに表示されたり、学生が企業と接する機会を作っている。よく利用していたという都内在住の女子学生は「1~2年生の頃から社会人に接する機会ができて、とても刺激になった」と語る。

就活が始まる前から、企業や社会人に接することができるように――。柿本氏が掲げる理念の原点は、同志社大学の学生時代に遡る。

「三井物産と伊藤忠商事って、どこか違うんですか?」。大学時代にスノーボードサークルに所属していた柿本氏は、度々商社マンや銀行マンなど社会人とクルマに乗ってスノーボードに出かけていた。5人乗りのクルマの中で学生は1人、どんな質問をしても懇切丁寧に会社の話を教えてくれた。

一方で、同級生たちはほとんど社会人との接点はなく、会社の実態を知らない。3年生になり、就活の準備をスタートすると、ネットを通じて会社とアクセスするが、それでは会社の本当の姿は見えない。問題解決策はないかと首をひねった。

「学生と企業が気軽に交流できるカフェのような場所があったらええな」

大学のキャリアセンターを訪れてスタッフにそう話した。そしたら、「その通りや。でも大学ではできないから、君がやったら」という答えが返ってきた。頭に浮かんだ1本のストーリーが商社志望だった柿本氏の考えを一変させた。

しかし、起業のノウハウや資金があるわけではない。そんな折、ソフト大手のワークスアプリケーションズのインターンシップに参加。同社は学生や若手社員の教育に力を入れており、人材重視の経営理念に柿本氏は共感。ここで仕事のイロハを学ぶことを決めた。就職活動の時点で同社の採用担当者には「2、3年で起業するつもり」と断っての入社だった。

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