ドイツや香港など世界各地で仕事をしてきたモンブランジャパンCEOのシャルル・ラングロワさん(39)にとって、日本人男性はおしゃれで洗練されている印象という。とはいえ、グローバルな視点でビジネススタイルに注目すると、気になる点がいくつかあるそうだ。たとえばそれは、トートバッグだったり、ぴたぴたのスラックスだったり……。海外ではあまり見かけない日本人男性の独特の装いに共通するのは、妻や恋人の「フェミニン」な意見なのではないかと推測する。
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■日本人ビジネスマンはおしゃれだと思うのですが…
――来日してから1年半近く。日本人男性のビジネススタイルをどう感じていますか。
「直前まで仕事をしていたドイツではネクタイをしないカジュアルなスタイルが一般的で、香港ではもう少しトラッドなスーツ姿が多かったですね。日本はそこからさらに洗練されています。また、イタリアンスタイルの影響が強いですよね。クラシコイタリア好きの私としては嬉しいことでした。驚かされたのは日本語でいうところの『こまかい』男性が多いことでした。富裕層向け雑誌に登場するすごくおしゃれなファッション好きな男性たちは、たとえばスーツといった特定の分野の知識が深く、歴史的背景やベストセラーなどなんでも知っています。ディテールにこだわりすぎかなという印象を与える人も多い」
――欧米と比べて違和感を持ったことはありますか。
「日本人ビジネスマンはおしゃれだと思うのですが、なぜか黒いスーツを着る人が多いですよね。私は黒はタキシードオンリーです。ユニホームのように見えてしまいますから黒はあまり着ません。若く見えるグレーやネイビーブルーにもっと挑戦していくべきでしょうね。それから気になるのはスラックスです。股上が浅くてウエスト部分の位置が下。幅は細身でぴたぴたしたシルエット。しかも丈が短い。こういうスラックスは女性的に見えますし、背が低く見えますよ」
――スリムなシルエットでくるぶし丈のスラックスはずいぶん定着してきました。
「推測すると、奥様や近くにいる女性からアドバイスをもらっているからではないでしょうか。女性がファッション雑誌のスタイリストの言葉などを見て、そのまま男性におすすめしているのでは。私はスーツではウエスト位置を上げますし、幅は太目に作りますけどね」