トートバッグ、ビジネスでは違和感　欧州では女性的モンブランジャパンCEO　シャルル・ラングロワ氏（下）

■毎朝地下鉄で通勤途上の人々を観察するのが日課

――確かに男性と女性の流行が近づいていると感じることもありますね。

「フェミニンといえば、本当にびっくりしたことが、日本の多くのビジネスマンがスーツにトートバッグを合わせていることです。ヨーロッパでは女性だけが持つフェミニンなバッグで、男性が手にすることはありえません。極めて日本的な現象で興味深いことです。荷物が大量に入るのは便利ですが、ビジネスシーンでは革のビジネスバッグを持つべきではないでしょうか」

――モンブランは筆記具に加えてかばんなどの革製品を充実させています。日本人の持ち物は気になりますか。

「毎朝地下鉄で通勤途上の人々を観察するのが日課なんです。服装やトレンドなど、地下鉄は情報の宝庫。さまざまなアイデアが参考になりますので記録しておきます。特に気になるのがかばんです。今朝はとても上質な革のブリーフケースを持った男性がいました。靴はきちんと磨かれてぴかぴか、ただ少しスーツがタイト過ぎましたね。別の男性はものすごいローウエストでスラックスを履きお腹が出ていました。トートバッグを肩にかける男性も目に付きました」

――毎日見ていると傾向がつかめますね。

「ビジネスマンが持つバッグでとても多いタイプが、ポケットがたくさんついたナイロン製のバッグです。アウトドアブランドのスポーティーなバックパックも多い。私なら山に登るときにしか持たないようなバックパックを、日本ではスーツに合わせるのが一般的。バックパックなら、せめてクラシックな革製にしてほしいですね」