フランス美しき5都市の旅 パリにない魅力とは?

日経ナショナル ジオグラフィック社

2019/9/18

ディジョン

ディジョン:ブルゴーニュ地方の中心地であるこの街を拠点に、グラン・クリュ街道を巡るワインツアーに出掛けよう(PHOTOGRAPH BY RNDMS, ALAMY STOCK PHOTO)

ディジョンは、かつて強大なブルゴーニュ公国の首都だった。その豊かな歴史は、中世の建造物やルネサンス様式の意匠に残されている。美食の街としても知られ、たくさんのビストロやミシュランガイドの星を取ったレストランがしのぎを削り、ブルゴーニュ地方の郷土料理を提供している。

14世紀に建造されたブルゴーニュ公爵宮殿の一部は、ディジョン美術館として利用されている。宮殿前の広場には噴水が並び、子供たちも水遊びを楽しめる。2015年、ブルゴーニュ地方の特級(グラン・クリュ)ブドウ畑が世界遺産に登録された。ディジョンはワイン愛好家の拠点としても最高だ。車に乗り込み、グラン・クリュ街道のドライブに出掛けるか、ディジョンの街にあるル・キャブー・ドゥ・ラ・シュエットなど、くつろいだ雰囲気のワインバーを訪ねてみるといい。

【旅のヒント】
マイユのブティックでは、世界的に有名なディジョン・マスタードをその場で注いでくれるが、地元の家庭でつくり方を教わり、本物のディジョン・マスタードをお土産として持ち帰るのがおすすめだ。

リール

リール:地元の人々にならって、街のあちこちで開催されているマーケットを回ってみよう(PHOTOGRAPH BY ARTERRA PICTURE LIBRARY, ALAMY STOCK PHOTO)

パリとベルギーの首都ブリュッセルから近く、高速鉄道ユーロスターで英国の首都ロンドンともつながっているが、シャルル・ド・ゴール元大統領の生誕地リールは、フランスの最もよく守られている秘密かもしれない。フランドル伯領の商業の中心地だったこともあり、現在も買い物好きにぴったりの街だ。グランド・ショセ通りには、エルメスやルイ・ヴィトンといった高級ブランドのブティックが立ち並び、9月最初の週末には、ブラドリー・ドゥ・リールが開催され、街全体が巨大なフリーマーケットに変わる。

ラ・ビエイユ・ブース(旧証券取引所)は17世紀の巨大な建物で、月曜日を除く毎日、古本市が開かれている。芸術に触れたい人は、フランス最大級の美術館であるリール宮殿美術館を訪れてみるといい。多数の傑作を所蔵しているため、わざわざルーブル美術館に足を運ばなくてもよりと思えるはずだ。

【旅のヒント】
リールのシティーパスを購入しよう。美術館を含む29の施設に入れるほか、公共交通機関の利用が無料になる。

トゥールーズ

トゥールーズ:ガロンヌ川の河川敷でピクニックするか、運河をクルージングするのがおすすめ(PHOTOGRAPH BY ANDREW WILSON, ALAMY STOCK PHOTO)

建物に使われている石の色から、バラ色の都市とも呼ばれる。フランス南西部にあるこの街を訪れれば、すべての人が何かを得られるだろう。国内外の学生が数多く暮らすこともあり、タパス(評判が良い店はボデガ・チェ・ビンセンテ)や飲み物(人気店はシェ・トントン)は選ぶのに迷うほどだ。世界遺産も2つある。クルージングが人気のミディ運河とヨーロッパ最大のロマネスク様式建造物サン・セルナン大聖堂だ。

晴天が多いため、地元の人々にならって、ガロンヌ川の河川敷で日光浴するのもおすすめ。ピレネー山脈も列車で2時間足らずの距離にあり、ハイキングやスキーに最適だ。何より、カスレを食べることだけは忘れてはいけない。トゥールーズのソーセージ、白インゲンマメ、ガチョウのコンフィが入ったずっしり重い煮込み料理だ。マルシェ・ビクトル・ユゴーに行けば、カスレをはじめとする郷土料理を味わえる。

【旅のヒント】
市街地からバスに乗れば、宇宙の街シテ・ド・レスパスにわずか30分で到着する。さまざまな展示や特別プログラムを通じ、最後の未開拓地である宇宙の驚異を紹介するテーマパークだ。

(文 KIMBERLEY LOVATO、訳 米井香織、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック 2019年8月16日付記事を再構成]

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