マツダ3 実用性・乗り心地より「かっこよさ」

2019/9/22
「アクセラ」を全面刷新したという「マツダ3セダン20S Lパッケージ」を試乗した(写真:向後一宏、以下同)
「アクセラ」を全面刷新したという「マツダ3セダン20S Lパッケージ」を試乗した(写真:向後一宏、以下同)
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先代にあたる「アクセラ」からすべてを刷新したという「マツダ3」は、マツダの新世代商品群の第1弾、すなわち同社の行く末を占う一台だ。「ファストバック」(5ドアハッチバック)に比べるとちょっと地味(?)な「セダン」を連れ出し、その出来栄えを確かめた。

かたまり感のかたまり

アクセラあらため、マツダ3。5月24日の発売から3カ月。都内ではチラホラ見かけるようになった。

カッコイイ! 先代「CX-5」以来のこのフロントマスクを最も高いレベルで昇華したように見えるボディーは、かたまり感のかたまりだ。やはり一番映えるのは、イメージカラーの「ソウルレッド」。2017年の東京モーターショーに出た“魁コンセプト”がほぼそのまま降臨したかのようである。

しかしそれは、ファストバックの話。今回試乗したのは、セダンである。ノーズ部分は基本、同じだが、トランクリッドへ向けてのボディー後半部は、入魂のファストバックと見比べると、だいぶフツーだ。しかも試乗車は白。直射日光の下だと、映り込みも陰影も期待できないカメラマン泣かせの色である。

今回のテスト車は2リッター直4ガソリンエンジン(スカイアクティブXではない既存のもの)を搭載した「20S Lパッケージ」。車両本体価格は264万9000円

セダンの品ぞろえはファストバックより限られる。一番小さいガソリン1.5リッターはなく、MTも選べない。ただ、同一エンジンの同一グレードだと、価格はファストバックと同じだ。プラス20cmの全長と、そこにある独立したトランクルームを付加価値と捉えれば、セダンはお買い得かもしれない。

試乗車は「20S Lパッケージ」(264万9000円)。この12月に「スカイアクティブX」と呼ばれる新型ガソリン2リッターが追加されるが、「314万円より」という価格を考えると、こっちのほうが販売のメインになりそうな2リッター4気筒モデルである。

実用性よりもデザイン優先

朝、あらためてガレージで見た3のセダンは、けっこう大きかった。それもそのはず、長さ4660mm、幅1795mm。新型プラットフォームで構築されたボディーのタテヨコは、アメリカ仕込みの「シビックセダン」と同じだ。クルマに近づくと、ドアロックがいい音で解錠される。ドアを開ける前から、計器盤では宇宙っぽいウエルカムイメージが動き出す。

「セダン」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4660×1795×1445mm。「ファストバック」とホイールベースは同値(2725mm)だが、全長は200mm長い

運転席に座ってスタートスイッチを押すと、中央のデジタルメーターに“MAZDA 3”の文字が現れ、後ろ姿のイラストレーションが出る。ちゃんと3のセダンであるところが凝っている。起動したカーナビが女性の声で言った。「8月27日。今日は寅さんの日です」

だが、インテリアは、ひとくちにドイツ車的である。ダッシュボードやドア内張は合成皮革だが、ホンモノに見える。顔が映りそうなメッキパーツも金属に見える。試乗車はオプション込みでも280万円ちょっと。軽のスーパーハイトワゴンが200万円近くする時代、この価格でこれだけ内装を上質につくり込んだ2リッターセダンがほかにあるだろうか。

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