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だしを料理ごとに使い分け、和食を気軽に 東京・銀座

2019/9/16

コースの締めの御膳には豪華な「ご飯のお供」がつく。取材日には朝仕入れたマグロ赤身のづけも

銀座で本格的な和食というと、少し敷居が高いと感じる人がいるかもしれない。ならば、「鮨(すし)よしたけ」の旧店舗跡に2019年3月にオープンした日本料理店「御料理 かつ志」を訪れてほしい。銀座にふさわしいクオリティーの和食を、構えることなくゆったりとした気分で楽しめる店だ。

Summary
1.旬の食材を生かした本格和食をくつろいで食べられる隠れ家が銀座に
2.料理ごとに「だし」を使い分け、ていねいな下ごしらえから生まれる逸品
3.コースの最後を飾る「土鍋の炊きたてご飯」にリッチすぎる「お供」

場所は多くの飲食店がひしめく銀座の見番通りの一角。ビルのエレベータから降りて、ドアを開けると、茶室のようなにじり口、足元を照らすあんどんなど、和の世界が広がる。

店内はカウンター7席とこぢんまり。外観や内装は、前店舗のものをそのまま使っている。どっしりとした一枚板のカウンターや、明るく清潔感のあるインテリアは、少し歳月を経て色合いがなじみ、心が落ち着く温かみがある。

料理長の吉武括志さんは兄である「鮨よしたけ」店主・吉武正博さんの影響を受け、料理人の道を志すようになったという。

料理人としてのスタートは勤めていたレストランで知り合った親方が独立して作った本格和食の店。和食の基礎を学んだ後、「魚料理の技術をさらに極めたい」と、いけすのある店に移る。そこで、関西で長く修業してきた親方と出会い、関西風のだしを生かした淡い味付けの料理に衝撃を受けたという。

その経験は、「御料理 かつ志」の持ち味である「品の良いだしで素材を生かす料理」につながっている。

その後、複数の店を渡り歩きながら、スッポン料理など様々な和食の技を磨く。そして、兄である正博さんに腕を見込まれて、「御料理 かつ志」の料理長に就任した。

車エビ、ホタテ、イチジク、丸ナスの白あえ

メニューは、先付、あえ物、揚げ物、椀(わん)物、焼き魚など全10品からなる「おまかせコース」のみ。いずれもていねいな仕事から生まれる逸品だ。さっそくメニューを紹介しよう。

ガラスの器で現れたのは「白和(あ)え 車海老、ホタテ、イチジク、丸ナス」。

甘みと食感を考えて厳選した具材は4種類。イチジクは甘酸っぱさをそのまま生かし、車エビは塩ゆで、ホタテはしょうゆをまぶしてさっとあぶり、丸ナスは素揚げして味を含ませている。「料理は仕込みが8割か9割」(吉武さん)と語るように、具材へのていねいな下ごしらえが味の深みを生む。

具材の下に敷いてあるのは、カツオ節とコンブのだしに薄口しょうゆなどで味付けしたもの。あえ衣や具材の下味が際立つように、味付けは最小限にとどめ、だしのうま味を効かせている。「御料理 かつ志」では、素材に寄り添っただしにこだわり、料理ごとにすべて異なるだしを使用している。

あえ衣は絹ごし豆腐をこし、練りゴマ、薄口しょうゆ、みりん、砂糖などで調味。さらに生クリームを加えてコクを出している。こした豆腐をすり鉢ですって作るあえ衣は、クリームのようになめらか。トロリと舌の上でとろけながら、多彩なおいしさを包み込んでいく。

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