働き方・学び方

本質思考トレーニング

やりっぱなしですべてがパー 問題解決策、実行のワナ (5)やりっぱなし

2019/9/10

画像はイメージ =PIXTA

「本質的な問題解決を妨げる9つのワナがある」。長くコンサルテンィグファームでマネージングディレクターなどを務めた米澤創一・慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特別招聘教授はこう指摘する。そのうち、思考習慣や思考スキルの不足から陥りがちなワナ5つを、同氏の近著「本質思考トレーニング」(日本経済新聞出版社)から紹介する。最終回の5回目は「やりっぱなし」というワナだ。

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最適な手段にたどりつき、施策として実行することができました。しかし、その実行に満足してしまい、最終的に問題解決されたか否かを計測・確認せずに、問題解決した気になっているようなケースです。

問題解決されていることが確認されてはじめて、目的に達することができます。計測した結果、思ったような結果が出ていないというのはよくある話です。その場合は、問題を正しく把握しているか改めて確認し、現状と計画の差異を認識し、予実差異の原因を正確に分析し、根本原因に対して手を打つというサイクルを再び回す必要があるでしょう。

また、施策によって当初の問題は解決できたものの、その施策を行った結果、他の問題を引き起こしてしまうこともあります。これは本質的な問題解決とはいえません。新たな問題の影響度が元の問題の影響度よりも遥かに小さければ問題解決といえるかもしれませんが、そうでなければ、それは問題解決どころか問題をより大きくしてしまったことになります。

解決策を実施した後に、どういう状況になっているかを観察、計測することは、本質的な問題解決に不可欠なのです。

■やりっぱなしのケース タクシー代は削減できたが……

経理担当者から自分のチームの経費がかさんできているという連絡があった。特にタクシー代が会社で定めている上限を超えているらしい。詳細を調べたところ、最近の深夜残業に伴って、タクシー代が急激に増えていることがわかった。

そこで、タクシー代は事前承認したものだけを経費として認めるというルールを新たに適用した。

その後、承認の数から、タクシーの利用は減ったように感じられる。チームメンバーがルールを順守していることの確認はしたが、経費全体のチェックは行わなかった。

数カ月後、経理担当者からの指摘で、経費は減っていないことが判明した。タクシーの利用は減ったが、宿泊費が増えてしまっていたのだ。

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