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井上芳雄 エンタメ通信

プリンスを本当に楽しめるのは40代から(井上芳雄) 第51回

日経エンタテインメント!

2019/9/7

それにしても、最近は世の中にプリンスが増えましたね。いろんな○○王子がいます。それだけ求められているのでしょう。王子を嫌いな人は、そういないと思うんです。だから、嫌な感じを与えない、相手のことを傷つけないというのが王子のイメージだし、非日常というか、あこがれる面もありつつ、にこやかな存在じゃないのかなと思います。

そう考えると、みんな安心したいんでしょうね。人と対していても、いつ自分が傷つけられるんじゃないかとか、この人は本当はどんな人なんだろうとか、どきどきしながら生きているところがあるし、ネットでもいろんな誹謗や中傷が飛び交う時代だから。

僕も、コンサートをやったりラジオをやったりしていて思うのですが、お客さまと一緒に過ごす時間は、穏やかに心地よく過ごせて、お互いに楽しい時間になればいいなと。だから自分の中にも、王子的な要素があるとは思います。

そういったことも含めて、今は求められれば、吹っ切れてプリンスを演じられるようになりました。王子はしぐさのひとつとっても普段やらないようなことが多いし、自分の中でテンションを上げて臨まないと、自然にはできないですから。

■井上さんはどうしてプリンスなんですか?

20代で、バラエティーの旅番組に出た時のこと。中央アジアで汚れた格好をして馬に乗っている僕の映像が映ったあと、パネラーの方に「井上さんはどうしてプリンスなんですか」と聞かれました。すごく恥ずかしくなって、「プリンスの役が多いだけで、普段の僕は全然違うんです。すみません」と答えたことがあります。

当時は、普段からプリンスなわけでは全然ないのに、そう言われるのはおこがましいと感じたのです。それが今は、むしろ違うから面白いんじゃないか、「こいつは何でプリンスなんだ」と突っ込まれるのがおいしい、と考え方が変わりました。年を重ねるのは、すてきなことですね。だから結論。プリンスの醍醐味は40代からです(笑)。

井上芳雄
1979年7月6日生まれ。福岡県出身。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。大学在学中の2000年に、ミュージカル『エリザベート』の皇太子ルドルフ役でデビュー。以降、ミュージカル、ストレートプレイの舞台を中心に活躍。CD制作、コンサートなどの音楽活動にも取り組む一方、テレビ、映画など映像にも活動の幅を広げている。著書に『ミュージカル俳優という仕事』(日経BP)。

「井上芳雄 エンタメ通信」は毎月第1、第3土曜に掲載。第52回は9月21日(土)の予定です。

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