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プリンスを本当に楽しめるのは40代から(井上芳雄)

第51回

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NIKKEI STYLE

井上芳雄です。テレビのバラエティー番組に出ると「ミュージカル界のプリンス」と紹介されることが多いのですが、今年で40歳になって、まだプリンスといわれるとは思ってもいませんでした。でも逆に、40代だからこその醍醐味もあります。今回は、最近感じているプリンスへの思いについてです。

9月6日にNHK Eテレで放送された、4~6歳児を対象にした子ども番組『みいつけた!』にゲスト出演しました。番組の主な出演者はスイちゃんという女の子、コッシーというイスの男の子、サボ子さんという大人のサボテンなのですが、僕が出たのは「サボ子のおうち」というコーナー。サボテンの国からきたミュージカルプリンス「サボうえよしお」を演じました。「トゲぬきゆういちろう」こと大貫祐一郎さんのピアノ伴奏で、スイちゃんや仲間たちにミュージカルの楽しさを教える役回りです。気持ちが高まってきたときに自然と歌になるんだよ、というのを実際にやって見せたり、みんなにやってもらったりしました。

実は、これが今年初めてのプリンス役。衣装もフリフリで、まさに王子でした。昨年は、オーケストラの伴奏によるフィルム・コンサート「Disney on CLASSIC Premium『リトル・マーメイド』イン・コンサート」でエリック王子の役を演じました。そのときは、「最近、王子役もあまり来ないので、これが"ラストプリンス"かも!?」なんて言っていたのですが、今年もまたやれました(笑)。

最近は、バラエティー番組に呼ばれるときも「プリンスの話を」というのが多いし、僕にとってプリンスは、ほとんどネタになっています。王子といえば10代、20代のイメージで、30代でも頑張れば若くなくもないみたいなところがあったと思いますが、40代になったらネタでしかないなと。フリフリの格好ができないわけでもないし、気分的にはむしろやりやすくなっています。

若いころは「プリンス推しはちょっと嫌ですね」なんて言っていた時期もあります。でも今は、ミュージカルを知らない人に興味を持ってもらうには、わかりやすい取っかかりが必要だと思うので、「じゃあ、それでお願いします」みたいな感じです。

振り返ると、舞台では王子役をそれほどやってないんです。デビュー作の『エリザベート』でのルドルフ役は皇太子だから、王子といえば王子。その後も何回か演じています。絵に描いたような王子役は、デビューの3年後にミュージカル『シンデレラストーリー』で演じた王子くらいでしょうか。役よりもむしろ、「ミュージカル界のプリンス」と呼ばれ出したり、劇場で出待ちをするファンの方の列が「プリンスロード」といわれたりした印象が強いのかなとも思います。二の線の男優は誰しもプリンスの時期を通ると思うのですが、僕の場合はまだそこから抜けきれてないようです。

『エリザベート』で2015年から黄泉の帝王トートを演じるようになったときも、最初のころは「王子っぽいね」とよく言われました。別に王子っぽくなんて思ってもいないのですが、自分の今までの感じでやると、自然とそうなるみたいでした。

でも今年のトート役くらいから、「帝王感が出てきた」と言われます。感情を表に出さないとか、威圧的だったりするということだと思うのですが、そっちの雰囲気を出せるようになったからこそ、テレビとか別のところでは王子をやれる自信が出てきたのかもしれません。「違うこともできるけど、王子だっていつでもできますよ」という心の余裕が生まれたように思います。

それにしても、最近は世の中にプリンスが増えましたね。いろんな○○王子がいます。それだけ求められているのでしょう。王子を嫌いな人は、そういないと思うんです。だから、嫌な感じを与えない、相手のことを傷つけないというのが王子のイメージだし、非日常というか、あこがれる面もありつつ、にこやかな存在じゃないのかなと思います。

そう考えると、みんな安心したいんでしょうね。人と対していても、いつ自分が傷つけられるんじゃないかとか、この人は本当はどんな人なんだろうとか、どきどきしながら生きているところがあるし、ネットでもいろんな誹謗や中傷が飛び交う時代だから。

僕も、コンサートをやったりラジオをやったりしていて思うのですが、お客さまと一緒に過ごす時間は、穏やかに心地よく過ごせて、お互いに楽しい時間になればいいなと。だから自分の中にも、王子的な要素があるとは思います。

そういったことも含めて、今は求められれば、吹っ切れてプリンスを演じられるようになりました。王子はしぐさのひとつとっても普段やらないようなことが多いし、自分の中でテンションを上げて臨まないと、自然にはできないですから。

井上さんはどうしてプリンスなんですか?

20代で、バラエティーの旅番組に出た時のこと。中央アジアで汚れた格好をして馬に乗っている僕の映像が映ったあと、パネラーの方に「井上さんはどうしてプリンスなんですか」と聞かれました。すごく恥ずかしくなって、「プリンスの役が多いだけで、普段の僕は全然違うんです。すみません」と答えたことがあります。

当時は、普段からプリンスなわけでは全然ないのに、そう言われるのはおこがましいと感じたのです。それが今は、むしろ違うから面白いんじゃないか、「こいつは何でプリンスなんだ」と突っ込まれるのがおいしい、と考え方が変わりました。年を重ねるのは、すてきなことですね。だから結論。プリンスの醍醐味は40代からです(笑)。

井上芳雄
 1979年7月6日生まれ。福岡県出身。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。大学在学中の2000年に、ミュージカル『エリザベート』の皇太子ルドルフ役でデビュー。以降、ミュージカル、ストレートプレイの舞台を中心に活躍。CD制作、コンサートなどの音楽活動にも取り組む一方、テレビ、映画など映像にも活動の幅を広げている。著書に『ミュージカル俳優という仕事』(日経BP)。

「井上芳雄 エンタメ通信」は毎月第1、第3土曜に掲載。第52回は9月21日(土)の予定です。

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