10月の消費増税に向けたポイント還元キャンペーン競争が新たな局面に入りました。これまではスマホを使ったコード決済がキャンペーンの主戦場でしたが、キャッシュレス決済の王道といえるクレジットカードにも広がってきたのです。
コード決済では例えば楽天ペイが楽天カードのひも付けなどを条件に9月30日まで5%還元(通常還元率1.5%)を展開中です。その一方でキャンペーンは業績の圧迫要因にもなります。5月に「LINEペイ」で大規模還元を実施したLINEは1~6月期決算で266億円の最終赤字を計上。2月に「メルペイ」を始めたメルカリも6月期通期決算が大幅な赤字でした。コスト負担から決済各社のキャンペーンは下火になる可能性があります。

逆に還元が増えてきたのがクレジットカードです。アメックスは9月30日まで全国約3万5000の対象店で使うと20%還元となります。事前に会員向けサイトなどでエントリー(登録)します。還元額は2000円が上限ですが家族カードなども対象となるためお得です。クレジット機能付きのファミマTカードなどを発行するポケットカードでも同30日まで1回5万円超の買い物で2%還元です(要エントリー)。還元額に上限はありません。
JCBは「20%キャッシュバック」を始めました。同社が発行したクレカなどを、アップルペイかグーグルペイに登録して支払う場合に限り対象となります(要エントリー)。クレカ1枚当たりの還元上限は1万円。複数枚保有していれば大きな還元を受けられます。キャンペーン期間は他社と違い12月15日までと消費税率引き上げ後も続きます。大手のJCBが増税後をにらんだ還元を始めたことで、これまで様子見だった他社もキャンペーンに乗り出すか要注目です。

[NIKKEIプラス1 2019年9月7日付]