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高校3年生の棒倒しで、開成の運動会はクライマックスを迎える

高校3年生の棒倒しで、開成の運動会はクライマックスを迎える

進学校の強さはどこにあるのか。生徒の勉強以外の活動や伝統、校風に光を当てるこのシリーズ。開成中学校・高等学校編の2回目は、すべての生徒が一丸となって繰り広げる運動会を取り上げる。教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏は、受験を考える小学生と保護者に「ぜひ運動会を見ておくべきだ」と勧める。世の中の学校行事が全体にマイルドになるなか、激しさと熱を失わない運動会が「開成生らしさ」を育んでいる。

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ニューヨーク・タイムズも注目

開成といえば運動会。運動会といえば開成。運動会なしに開成は語れない。面識のない開成のOB同士は「△年卒の○色です」と自己紹介するとよくいわれる。「○色」というのは高2、高3の運動会でのチームの色だ。紫、白、青、緑、橙(だいだい)、黄、赤、黒の8色がある。OBに聞くと「そんなこといつも言うわけじゃないよ!」と否定されるが、それくらいに運動会が開成生のアイデンティティーになっているという逸話ではある。

特に高3の棒倒しは運動会のクライマックスだ。その様子は「The Organized Chaos of Botaoshi, Japan's Wildest Game(ニッポンの荒々しい競技「棒倒し」の組織化されたカオス)」のタイトルで、2018年8月26日の米紙ニューヨーク・タイムズ日曜版でも紹介された。

棒倒しは、かつて多くの男子校で行われていたが、危険であるとして中止されてしまったケースも少なくない。ところが、開成では競技としての勇猛さを損なわず、かつ安全を最大限に確保するための知恵が毎年のように更新され、代々引き継がれている。その集大成が100ページにもおよぶルールブックである。

時代とともにルールが進化し、それに伴い作戦も進化する。ニューヨーク・タイムズの記事は、その様子をアメリカンフットボールの進化になぞらえて説明していた。安全面に配慮しながらルール改定をくり返すなかで、競技としても進化し、作戦も変化していく。開成の棒倒しも独自の進化を遂げている。現在では攻撃、遊撃、迎撃、サードというポジションに分かれ、アメリカンフットボール並みの緻密な作戦のもとに試合が進められる。

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