青く輝く巨大な新種タランチュラ オスは小さく地味

日経ナショナル ジオグラフィック社

2019/9/14

遺伝子の配列を解読すれば、このタランチュラが独立した種であることを別の角度からも確認できる。こうした検査はまた、種の進化を理解することや、保護計画を立てるうえでも重要となる。レイヴン氏は、スリランカのような場所においては、豊かな生物多様性は同時に、個体数が少ないことを意味していると指摘する。そして、「それを研究する科学者の数はさらに少ないのです」

今のところ、C. jonitriantisvansickleiが希少種、あるいは絶滅の危機に直面している種であるかどうかはわかっていないが、なかには絶滅が危惧されているクモもいる。

「ほぼ未調査のクモがたくさんいる」

ナナヤッカラ氏がスリランカで珍しいタランチュラを発見して注目を集めるのは、これが初めてではない。

2013年には、Poecilotheria rajaeiという、木にすむ巨大なタランチュラを報告した。幾何学的な格子模様に彩られ、脚先から脚先までの長さが人の顔を優に超えるこのタランチュラは、タイガースパイダーと呼ばれ、メディアによって大いに取り上げられた。

こうした大型のクモが同定されずにいることは、スリランカでは今でもごく普通にあることだと、スリランカ国立基礎研究所のスレシュ・ベンジャミン氏は言う。

氏によると、スリランカは生物多様性の宝庫だが、1948年の独立以降、詳しく研究されたのはそのごく一部に過ぎないという。

たとえば、スリランカで同定されている593種のクモのうち、108種はこの20年の間に分類されたものであり、またスリランカのクモについての唯一の図鑑が出版されたのは、100年以上前のことだ。

これを踏まえると、この先、さらに多くの新種が発見される見込みは高いだろう。

ベンジャミン氏は言う。「ここ数年でわたしたちが行った現地調査の結果は、島に残る森には、ほぼ未調査のクモがたくさんいることを示しています」

(文 NADIA DRAKE、訳 北村京子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2019年8月29日付]

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