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ジャストシステム創業夫妻が再挑戦「今が一番面白い」

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1979年に創業し、画期的な日本語ワープロソフト「一太郎」を開発したジャストシステムの創業者夫婦、浮川和宣氏と初子氏。国内でのパソコン普及の一役を担ったが、米マイクロソフトとの激しいシェア競争で経営不振に陥り、2009年にキーエンスと資本業務提携し、高収益企業として再生した。浮川夫婦は同社を離れ、新たにソフト会社MetaMoJi(メタモジ、東京・港)を立ち上げた。70歳を迎えた和宣氏は「今が一番面白い」と話す。大学同期の初子氏と一緒に夢を追う。

「この5月に70歳になったけど、今が一番面白い。一般の会社のサラリーマンは60歳で定年になるが、体力はまだ十分にある年代。仕事を辞めるなんてもったいないよ」。メタモジ社長の浮川和宣氏が満面の笑みでこう話すと、隣に座る夫人で専務の初子氏は、「そりゃそうね」と相づちを打つ。

同級生で結婚、アイデアは夫、具現化は妻

「今の会社はジャストと比べると、従業員数も売り上げも10分の1ぐらいだけど、ちょうど全体が見渡せる規模。とても心地のいい環境で、仕事がしやすい」と初子氏は応じる。「時にはケンカもする」というが、これほど息のあった夫婦はいまどき珍しい。ともに苦難の道を歩み、同時に喜びも味わった。

浮川夫婦は20歳になる少し前に愛媛大学工学部の同期生として出会い、結婚。30歳の時、和宣氏は初子氏とともに起業。アイデアを生み出すのが和宣氏で、それをエンジニアとして具現化するのが初子氏の役割だった。

日本のIT史の中で浮川夫婦が演じた役割は大きい。世界のIT産業をけん引したのはIBMやマイクロソフト、アップルなど常に米国企業だった。米西海岸で登場したパソコンを一般の日本人が使いこなすには言語の壁があった。複雑な漢字かな交じり文で構成される日本語。素早くストレスなく、日本語変換することは至難の業だ。大手メーカーが次々日本語入力システムの開発に挑んだが、うまく進まない。

1980年代に入り、ワープロの普及が始まると、「四国の徳島にすごいソフト会社が現れた」といううわさが立った。浮川夫婦はわずか数人の仲間と不眠不休で日本語入力システム「ATOK」を開発、85年には一太郎を発売した。90年代の一大パソコンブームで会社は急成長し、97年には株式を店頭公開した。

徳島市内に巨大本社ビルを建設し、社員数は1000人を超えた。日の丸ソフトの代表格ともてはやされた。しかし、和宣氏は「あんまり面白くなかった。組織が大きくなり、上場すると経営者は現場から離れる。株主など多くの関係者と対峙しなくてはいけない。製品やサービスのアイデアを考えたり、企画したりする時間が削られていった。これじゃ『大型雑用係』だと思うようになった」という。

「研究者の受け皿を」、ipadに日本語入力

巨人マイクロソフトを向こうに回し、ワープロソフト市場で激しいシェア競争を演じた。06年から4期連続で最終赤字を計上し、キーエンスから約44%の出資を受け入れた。和宣氏と初子氏の肩書はそれぞれ社長、専務から会長、副会長なった。浮川夫妻は資産を築き、60歳の節目の年を迎えていたが、引退の二文字は全くちらつかなかった。

キーエンスの資本参加からわずか半年で、メタモジを起業した。「第二の創業とか、そんなカッコいいものではなく、研究者たちの受け皿会社を作ってあげないといけないと考えたからだ」という。和宣氏は次世代の先端技術開発につながる20人あまりの研究者を集めていたが、外部から来た経営陣は既存事業にしか関心を示さなかった。有能な研究者は行き場を失いかねない。

「起業したときはインターネット関連事業でもやろうかなと思っていた」というが、それからわずか1ヵ月後に方針転換に迫られた。10年の年明け、和宣氏にとって米国から衝撃のニュースが飛び込んできた。

アップルが「iPad」というタブレット端末を発売するという。ユーザーインターフェースはすべて指という革新的な製品。日本語は画面に表示されたキーボードで入力する。キーボードが独立しているパソコンのように入力しやすいわけではない。「じゃ、このipad用の手書き入力ソフトを開発しようか」と和宣氏が提案すると、初子氏は「それは面白い」とすぐに呼応。2人の個人資産は手書き入力システム「mazec(マゼック)」の開発に注がれた。

電気自動車も注文、挑戦が好き

メタモジを起業して10年。マゼックを使った「7notes」などを次々製品化。企業や教育機関、医療機関へ活用の場を広げている。社員は約70人に増え、「今年やっと黒字化する見通しになった」という。

70歳になった和宣氏。「趣味はゴルフぐらいで、後は仕事かな。だけど現場でワイワイやりながら、とにかく仕事を楽しんでいる」と快活に話す。一方の初子氏は「今3つをテーマにして生きている」という。1つは仕事を通じた社会貢献、2つ目は母親の介護を通じて知った藍染や俳句、書道などの趣味。そして3つ目はAI(人工知能)など先端技術を楽しむことだという。生命科学分野の有識者らとも交流、初子氏は、「技術の革新的な進歩で人間は100年どころか、今に150年ぐらい生きられるようになると思う」という。

浮川夫妻が楽しみにしていることがある。今春から日本でも予約受け付けを開始した米テスラの電気自動車(EV)「モデル3」を早速注文した。米シリコンバレーで製造され、「走るスマホ」と称されているデジタルカーだ。「車内には大画面液晶パネルが装備されており、毎日情報が更新される。将来的には自動運転にも対応可能なモデルだ」という。

浮川夫妻の出会った、今から50年前にはアポロ11号が月面に着陸した。その10年後に起業。30年のときを経て再度起業して10年。10年単位で新たなことを起こす。「また化けるかもよ」と和宣氏は笑う。米国発のテクロノジーの風を受けながら、浮川夫妻の挑戦はまだ続いている。

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