タレントパワー20代男優 菅田将暉1位、吉沢亮躍進タレントパワーランキング2019 20代男優編

日経エンタテインメント!

16年以降は、やや変化が見られ始めた。近年朝ドラは“イケメン祭り”とも言われるように、ある程度の知名度を備えた、旬の男性俳優を複数出演させる流れが強まっている。例えば、16年上半期の『とと姉ちゃん』でヒロイン高畑充希の青春時代を支える青年役を演じた坂口健太郎(28)は、出演時のスコアがすでに18.6。朝ドラをきっかけに22.1へと上昇した。

18年上半期の『半分、青い。』でも同様の例が見られる。ヒロイン永野芽郁と同じマンガ事務所の同僚を演じた志尊淳は、出演の前後で16.5から19.9へ、ヒロインの夫役を務めた間宮祥太朗(26)は13.1から19.3へとそれぞれスコアを伸ばした。朝ドラの役割は今や変わってきており、キャリアを重ねた俳優が多くキャスティングされ、出演をきっかけに老若男女にまで知られるレベル(スコア20)へと進むケースが増えているのだ。

現在放送中の『なつぞら』には、5月調査時点でスコア27の吉沢亮、20.6の工藤阿須加(28)、19.6の中川大志(21)らが出演。彼らが、人気や知名度をさらに上げることは確実だ。

男性コメディ作品が活況

13年から16年頃にかけての映画界では、少女マンガ原作の恋愛映画が興行収入の面で成果を残し、次々と制作されるブームが起こった。その結果、少女マンガ原作映画で知名度を上げる俳優が相次いだ。筆頭は、興収30億円超えの映画『orange』(15年)などに出演した山崎賢人だ。彼は16年5月にスコアを20の大台に乗せた。

しかし、近年はそのブームも下火に。代わって存在感を増しているのが、男性キャスト中心のコメディ作品(表では青色)だ。男子が数多く出演し、その関係性を見せることを意識した“男子団体芸”的な作品が近年広がりを見せ、そこからブレイクする俳優が増えている。

例えば竹内涼真は、生徒会長の座をめぐる争いを描いた学園コメディ映画『帝一の國』(17年4月公開)に出演した後に、スコアが16.2と上昇し15の壁を突破。この作品では他にも、主演の菅田将暉、野村周平(25)、間宮祥太朗といった同じ20代俳優らが複数出演し、この時期にスコアを伸ばしている。新田真剣佑(22)も、爆破事件を起こしてしまった高校生男子たちを描くギャグ系マンガ原作のドラマ『僕たちがやりました』(17年7月期)出演後に、スコアが17.7から21.3まで上昇した。

男性キャスト中心のコメディ作品のなかでも、注目したいのは福田雄一監督作品だ。SF時代劇ギャグコメディ『銀魂』シリーズ(17年・18年)や『斉木楠雄のΨ難(サイなん)』(17年)といった映画から、青春ヤンキーコメディー『今日から俺は!!』といったドラマまで、出演俳優が相次いでブレイクを果たしている。『今日から俺は!!』では主演の賀来賢人(当時29)、そして相棒を演じた伊藤健太郎、さらに彼らの敵役を演じた鈴木伸之(26)や磯村勇斗(26)まで、多くの20代俳優の飛躍の場となった。

18年4月期に放送され、社会現象となったドラマ『おっさんずラブ』も、“男子団体芸”的作品と言っていいだろう。「20代男性俳優タレントパワーランキング」で27位に入った林遣都(28)は同作で、メインキャストの1人である牧凌太役を演じ、出演後にはスコアが14.5から17.2に上昇した。

映画やドラマだけでなく、CMでも男性キャストが多く出演する作品の人気が高い。菅田将暉がブレイクを果たしたau「三太郎」シリーズCMは、まさにその代表例。最近でも、今年4月から放送がスタートした花王「アタックZERO」CMがある。洗濯好きな社会人サークル「洗濯愛してる会」のメンバーとして、松坂桃李、菅田将暉、賀来賢人、間宮祥太朗、杉野遥亮(23)の5人が出演。5月度CM好感度ランキングで、先のau「三太郎」をおさえて1位(CM総合研究所発表)を獲得。先輩俳優と共演を果たした杉野遥亮の知名度も上がっている。

(ライター 中桐基善)

[日経エンタテインメント! 2019年9月号の記事を再構成]