1年363日働く キャリア3つ目、出口治明APU学長

「仕事で忙しいのは万病のクスリになる」と笑う

1カ月のうち3週間を別府、1週間は東京でそれぞれ過ごす。複数の政府の審議会委員などを務め、全国の高校への大学説明会などもこなし、分刻みで日程が詰まっている。

京都大学法学部を卒業後に日本生命に入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを務めたが、子会社出向など悲哀も味わった。58歳でインターネット専業生保の起業に挑んだ。ライフネット生命は国内大手や外資の系列ではない戦後初の独立系生保でもあった。「ネットで生保なんて売れるのか」と業界から懐疑的な声が起こる中、出口氏は多数の著書を出版、自らが「広告塔」になることで、ネット生保の普及を推し進めた。

引退は自分自身で決めるべき

「還暦ベンチャー」から「古希学長」へと転身した出口氏。もともと多忙な日々を送ってきたが、「年をとるたびにどんどん忙しくなる。しかし、余計なことを考える時間がないからむしろ楽だ」と話す。

71歳の出口氏。大学の同期生らと集まると、「話題は医療の話ばかり。どこの病院がいいとか、こんなクスリを飲んでいるとか。学生と話しているほうが、100倍ぐらいワクワクする」という。特に運動などはしていないが、広いキャンパス内をあちらこちらと移動するため、1日1万歩は歩く。

出口さんは「定年制は廃止すべきだ」が持論だ。「60歳の誕生日が来たら、明日から会社に来なくていいなんて欧米の企業では考えられない。引退は自分自身で決めるべきことだ」とライフネット生命では定年制を導入しなかった。

読書好きの出口氏は「暇」は嫌いではないという。だが、「人間は社会的動物、社会とのつながりを失ったら急激に老いる。仕事で忙しいのは万病のクスリになる。病気になっている暇はないから」という。国内有数の温泉地と知られる別府。毎日でも温泉につかることが可能だが、この1年半で一番親しくなったのは大分空港の航空会社のスタッフ。「APUの学長は忙しいですね」と声をかけられながら、当面は仕事漬けの日々が続きそうだ。

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