1年363日働く キャリア3つ目、出口治明APU学長

APUの学生は約90カ国から集まる

ただ、外国籍の学生の起業は容易ではない。日本では外国人による起業の際に数百万円単位の資金準備を義務付けられているが、政府の「まち・ひと・しごと創生会議」の委員でもある出口氏は「安倍首相に外国人学生が起業しやすいように資金準備など制約をなくすように直接訴えた」という。 学生の起業支援のほか、地域の自治体や経済界と連携し、大学の価値向上にまい進している。

APUは2000年創立の新興大学だ。欧米の有力大学と比べて安い学費や日本語と英語による日英二言語教育システムが評価され、アジアの有力者の子弟が続々集まった。グローバル化の流れの中、東京や関西の学生からの人気も上昇し、19年の入試志願者数は5千人台を突破し、過去最高を更新した。

低い大学認知度、上げるのがミッション

出口氏は「特に外国人学生は優秀で、ハーバード大学や東京大学の大学院に合格する学生も少なくない。OBにはインドネシアの東ジャワ州の副知事もいるなどアジアの政治や経済界で活躍する卒業生が増えている」と強調する。外国人学生は1学年750人のうち約100人が国内外の大学院に進学するほか、約250人が日本企業に就職、約400人が出身国などの海外の企業に入る。

一般には外国人留学生が日本企業に就職するのは難しいとされるが、「APU生は日本語も堪能だし、出身国に戻っても、現地法人などで活躍してもらえると日本企業側のニーズが高い」という。

課題はAPUのブランド力の向上だ。実は、19年の世界大学ランキング(英教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」)の日本版によると、APUは西日本の私立大学では1位だった。全国の私立大学では国際基督教大学(ICU)、早稲田大学、慶応義塾大学などに次いで5位に入っている。だが、「認知度が低い。同志社大学や立命館大学などの関関同立よりもランキングは上なのに、APUはどこの大学なのか、九州の別府の大学なんて知らないよといわれる」。学長である出口氏のミッションは大学の価値を高め、認知度の向上を図ることだ。

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