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2019年のテレビは「買い」 国産は4K有機ELへ

西田宗千佳のデジタル未来図

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NIKKEI STYLE

日本のテレビ市場に変化が起きようとしている。ポイントは2つある。高級モデルでの「有機EL」採用比率の増大と、低価格モデルを中心とした「中国メーカー」の躍進だ。現在のテレビはどう変わり、どこを見れば自分にあったものを購入できるのか?

買い替えサイクルは長期化、小型モデルのニーズは減退

ここ十数年で、テレビの売れ方は大きく変わった。

まず、液晶パネルを使った製品が基本になり、非常に壊れにくくなった。テレビメーカーの独自調査によればテレビの買い替えサイクルはどんどん長くなっている。メーカーや流通関係者へのヒアリングでは「買い替え間隔は8年」という声が聞こえてくる。

次に、低価格商品が売れにくくなった。正確には「低価格で小型の商品が売れにくくなった」と言った方がいい。リビング向けの大型テレビは順調に売れているのだが、寝室や子供部屋などの「個室」向け需要が減った。2011年前後に買われた個室向けは、その後ほぼ「買い替え」「買い足し」が進んでいない。スマートフォンやタブレットの普及もあり、個室での暇つぶしの主軸がテレビからそれらの機器へと移ったことが大きい、とみられている。

その中でテレビメーカー各社は、リビング向けの大型製品へとシフトした。低価格な製品は価格競争が激しく、中核であった小型製品の売れ行きも芳しくないので、メーカーとして差別化がしやすい大型・高付加価値製品を主軸にしたのだ。

日本のテレビ市場は、ずっと日本のトップメーカーが寡占する状況にあった。トップシェアグループである、ソニーシャープパナソニック東芝で市場のほとんどが構成されている。海外メーカーのシェアはなかなか上がらなかった。大型テレビはなかなか買い替えない。だから、「できるだけいいものを」という指向が強く、さらに、「そうしたものを作っている」というブランド認知が高いトップメーカーに支持が集まりやすい。

低価格からじわりと広がる中国メーカーのシェア

しかし2018年から状況はかなり変わって来ている。ポイントは中国系企業の躍進だ。

ハイセンス(Hisense)が低価格市場でシェアを伸ばし、トップグループに次ぐ存在になってきた。東芝のテレビ事業はHisenseが2017年末に買収、現在は東芝映像ソリューションとして、「東芝」と「REGZA」のブランドをそのまま使ってビジネスをしている。Hisenseブランドとは別の商品展開だが、資本系列としては同じグループに属する。

そして19年8月末には、テレビで世界シェア3位(英IHSマークイットの調査による)の中国TCLが日本市場に本格参入した。

これらのメーカーの武器は価格だ。中国のディスプレーパネルメーカーが躍進した結果、液晶ならばそこそこ品質のいいものが低価格で手に入る。しかも4Kでだ。結果的に、液晶テレビのコストパフォーマンスは劇的に上がった。

例えばTCLの場合、もっとも安価な4Kテレビ「P8シリーズ」の場合、43型なら5万円で買える(ただしこの製品に4K放送のチューナーは内蔵されていない)。Hisenseも似たような価格帯だ。

従来も、低価格をウリにするテレビメーカーはあったが、それらはテレビを低価格で調達して販売するのに近かった。現在日本市場で存在感が出てきているのは、諸外国で多数のテレビを売っている中国メーカーがそのまま日本に参入した、という形である。そのため、部品の調達能力や量産能力で有利であり、価格競争力が高い。実は技術力もある。画質面ではトップメーカーに劣るが、価格から考えれば十分な満足感を得られる水準といえる。

TCLがどこまでシェアを伸ばせるかは未知数だが、低価格・大型市場を軸に、中国系メーカーのシェアが大きくなっていく可能性は高い。

有機ELシフトが進む日本メーカーのテレビ

一方国内大手はどうか? すでに述べたように「高付加価値路線」で勝負している。特に中心となりつつあるのが、有機ELパネルを使った4Kモデルだ。

現状、有機ELテレビはすべて、韓国LGディスプレーが生産したパネルを使っている。そういう意味では差別化が難しいのだが、有機ELパネルをコントロールする方法がより細かく開示され、テレビメーカー側で工夫する余地が生まれている。また、最新の有機ELパネルは、以前より明るくなり、液晶に比べて不利といわれていた部分が緩和された。ソニーや東芝映像ソリューションは、特に赤の画素を中心に輝度をコントロールしやすくなったことを生かして、画質向上に努めている。パナソニックは最上位の「GZ2000」で、LGディスプレーから有機ELパネルをより細かな部品単位で調達し、自社内でテレビ向けに組み立てることで、輝度アップや画質の均質化などに取り組んでいる。そういう意味で、19年の有機ELは「18年モデルより良い」と明確に言える。当たり年だ。

LGエレクトロニクスにとって、高付加価値テレビを作って売ってくれる日本メーカーは良い「お客様」。そのため、日本のテレビメーカーとの関係は良好だ。だからこそ、こうしたカスタマイズに取り組めるのである。

パネルの価格も下がってきており、特に55型の製品はハイエンドな液晶製品との価格差が数万円レベルになってきている。テレビの使う年数が長くなっていることもあり1年当たりのコスト差は小さくなった。そのため「有機ELを」と考える人も増えている。

東芝映像ソリューションの調べによれば、同社のテレビのうち、有機ELが占める割合は55型で47%、65型で46%になった。ほぼ半数が有機EL、という段階になったのだ。

有機ELはコントラストと発色に秀でており、特に映画などを見る場合、液晶とは大きな差が生まれやすい。55型よりも大きなクラスを選ぶようなテレビに画質や迫力を求める層には、有機ELの価値が高まっている。

なお、シャープは有機EL製品を採用せず、自社の「8K」液晶パネルを使った製品展開をしている。8Kはかなり高いが、解像感という意味で他社よりも一歩先んじており、これはこれで「高付加価値路線」であることに変わりはない。

こうしたことから、日本メーカー(+有機ELディスプレーを作っているLG)と中国系メーカーが、明確にすみ分ける市場になってきた、といっていい。

問題は、低価格路線に顧客を奪われる量がどれだけあるのかということ、そして、低価格路線の中国メーカーが、いつ有機ELで同クラスのものを作ってくるのか、ということにある。日本メーカーは安穏としていられない状況だが、1、2年で追いつかれるわけでもない。そういう微妙なパワーバランスにあるのが、今のテレビ市場、といえるだろう。

西田宗千佳
 フリージャーナリスト。1971年福井県生まれ。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。

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