ひょんな経緯から深くかかわることになった東芝ですが、実際に入ってみて、いい会社だと思いました。研究所の技術は世界で誇れる水準です。製品もすばらしい。この3年間、ほとんど顧客を失っていないことが、それを証明しています。東芝は社会から嫌われる存在ではなかったのです。だから、十分再建できると考えています。

過去の敗因は、事業ポートフォリオの転換がうまくできなかったこと。主にマネジメント面の問題でおかしくなったわけです。デジタル化の流れをつかんで、事業を入れ替えていくことは必要でしょう。その判断が遅かったことが経営悪化の背景ですから。

東芝の再建は可能。デジタル技術を活用して「世界トップレベルの会社」にしたいと考えている。

東芝の強さ、DNAを再確認して、もう一回、皆が自信をもって取り組めばよいのです。事業横断の改革組織的なクロスファンクショナルチームをつくり、最高の手法を現場に移植していきます。再建は順調に進みますよ。スピード感をもってやりたいですね。

これからはサイバー・フィジカル・システム(CPS)という考え方が世界の主戦場になると考えています。社会インフラ事業などの基盤が「フィジカル」の分野であり、そこに、あらゆるモノがネットでつながるIoTや人工知能(AI)などの「サイバー」技術を組み合わせるというイメージです。

東芝が躍進する余地が十分あると考えています。東芝をもう一度、世界トップレベルの会社にしたい。こう思える私にとって、すべての出発点は、高校時代を含めて、自立心を身につけた10代の頃にあります。

いまや人生100年の時代です。振り返ると、長く働いた銀行には本当に育ててもらったという思いがあります。そんな銀行を2017年にすっぱり辞めたのも、社会に求められるのであれば、新しい次の仕事をしてみるのもいいかなと思えたからにほかなりません。

(村山浩一)

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