転職先の「決め方」を決める 条件や給与では迷走もミドル世代専門の転職コンサルタント 黒田真行

自分本位を避け、相手のニーズを重視

転職先選びに迷うとか、判断基準が決められないという場合は、いきなり転職先の業界や職種を決めようとせずに、「転職先をどう決めるかという決め方を決める」ことをおすすめしています。転職先選びには迷わなかったけれど、転職活動では苦戦しているという人は、自分の会社選び・仕事選びに、「思い込み」や「決めつけ」の要素がないかを検証してみたほうがいいかもしれません。

「転職先の決め方を決める」ための観点として、以下にいくつかの例をまとめてみました。業界や職種、給与などの条件をいきなり決めてしまうのではなく、下記のような観点から、まずは基準(ものさし)をいくつか決めて、次に基準ごとの「重みづけ」を決めると、自分ならではのものさしができあがるはずです。活動中に迷ったときに、そのものさしにいつでも立ち返ることができると、不安も軽減されます。

【現状把握からの観点の例】

・「退職した理由」から客観的に「転職先の条件」を考える

・現在の自分のキャリアの立ち位置から「転職先の可能性」を考える

・これまでにやってきたことを分解して、再活用したい経験・スキルとそうでもないものを切り分けて「転職先の候補」を洗い出す

【会社・組織系観点の例】

・自分がモチベーションを感じられる業界や事業テーマから考える

・どのような社風・人間関係が合うかどうかから考える

・金額・条件が合う水準かどうかから考える

・企業の規模や環境から考える

・デジタル領域かアナログ領域かから考える

【仕事・役割系観点の例】

・目指すのは、スペシャリストかゼネラリストかから考える

・仕事の自由度や意思決定に関与できる度合いがどうかから考える

・希望する働き方がハードかマイルドかから考える

上に挙げた例でも述べたように、個人個人にとっての転職活動が人生を懸けたものであるのと同様に、1社1社の採用活動もまた、社運を懸けた一大事です。転職の失敗は、採用の失敗でもあり、個人にとっても企業にとってもダメージは大きなもの。だからこそ、転職活動は、見かけの条件やイメージだけではなく、慎重に進めていただきたいと思います。

個人にとって転職活動は孤独であるがゆえに、自分本位なものになりかねない可能性を豊富にはらんでいます。自分本位になればなるほど、よい結果につながりにくくなります。

よい転職を実現する最も重要な原則は、相手の立場に立つことです。この場合の相手とは、迎える側の企業の経営者や、人事の担当者、上司になるかもしれない立場の人たちのことです。

自分が逆の立場なら、どんな強みや能力を持った人を迎え入れたいか、あるいは自分たちと一緒に働くことにどんな期待を持ってくれている人に会いたいか。自分の想像力を思いきり働かせ、相手の視点に立ってみることで、本当に自分が必要とされ、貢献実感が持てる場所を見つけてもらえればと思います。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。

黒田真行
ルーセントドアーズ代表取締役。日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。1989年リクルート入社。2006~13年まで転職サイト「リクナビNEXT」編集長。14年ルーセントドアーズを設立。著書に本連載を書籍化した「転職に向いている人 転職してはいけない人」など。「Career Release40」http://lucentdoors.co.jp/cr40/

管理職・ミドル世代の転職なら――「エグゼクティブ転職」

5分でわかる「エグゼクティブ力」
いま、あなたの市場価値は?

>> 診断を受けてみる(無料)

「エグゼクティブ転職」は、日本経済新聞社グループが運営する 次世代リーダーの転職支援サイトです

NIKKEI 日経HR


ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
出世ナビ記事アーカイブ一覧
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
出世ナビ記事アーカイブ一覧