転職先の「決め方」を決める 条件や給与では迷走もミドル世代専門の転職コンサルタント 黒田真行

「自己中」な態度を、採用側は見抜く

転職先に限らず、住宅、クルマを選ぶときなど、様々な選択の意思決定をする際に、条件の数が増えてくると、次第にMUST(ぜひとも)条件からWANT(できれば)条件に拡大していきます。そして条件が増えれば増えるほど、対象の数が減り、価格が高騰したり、見つけるまでに時間がかかったりというトレードオフが発生します。

また、クルマや住宅のようなモノではなく、相手が受け入れ企業の人事責任者というヒトになれば、相手方の気持ちという要素も加わってきます。相手の心証を害すると、さらに可能性を狭めることにもつながりかねません。

個人にとっての転職活動が、自分や家族の人生に関わる一大事であるのと同じように、企業にとっての採用活動は、自社の成長や存続に関わる重大な意思決定です。「次はメーカー営業でもいいかな」「多少規模が小さくてもいいかな」というような自分本位のスタンスは、それを隠しているつもりでも、面接のプロである人事や経営者に見抜かれるおそれがあります。

軽い気持ちで応募してしまって不採用になってしまうことは、時間の無駄遣いになるだけでなく、もし別のタイミングでその企業に本気で応募しようとしたときにチャンスを失うことにもつながりかねないので、避けたほうが得策です。「とにかく数を受けて合格確率を上げる」とか、「面接の練習がてら受けてみる」という意見もありますが、本気度が低いアクションは、そのいずれにも効果がないことは明らかです。

転職先を探して選ぶという行為は、ほとんどの人にとっては慣れないことなので、大変に難しいものです。転職活動の「相場を知る」ということが大原則ではありますが、どうやれば相場がわかるかがわからないというのが実態だと思います。

転職活動者の中には、まれに「最初から自分の天職が確定している(周囲から見ても納得できる状態)」という人や、「資格などの取得難易度が高いキャリア資産を持っていて、それ以外の選択肢が非現実的(医師、弁護士、建築士、看護師、パイロットなど)」という人もいますが、そういうケースは一般的には少数派です。

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