有森裕子 パラスポーツで支え合いが当たり前になる日

日経Gooday

「2020年第7回スペシャルオリンピックス日本冬季ナショナルゲーム・北海道」の採火式の様子。2019年7月7日、北海道神宮(札幌市中央区)にて(写真提供:スペシャルオリンピックス日本)
「2020年第7回スペシャルオリンピックス日本冬季ナショナルゲーム・北海道」の採火式の様子。2019年7月7日、北海道神宮(札幌市中央区)にて(写真提供:スペシャルオリンピックス日本)
日経Gooday(グッデイ)

早いもので2020年東京オリンピックまであと1年を切りました。既に競泳などでは、オリンピックの切符を手に入れた選手もいます。そして9月15日には、いよいよマラソン代表の座をかけたレースであるMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)が開催されます。

私もNHK総合テレビで女子のレースを解説しますが、限られた人数で戦う選考レースがどんな展開になるのか、とても楽しみです。ぜひ皆さんも、夢の舞台への切符を全力でつかみにいく選手たちを応援してあげてください。MGCの感想は、また次回以降にお伝えできればと思っています。

さて、私事で恐縮ですが、今年6月21日に日本障がい者スポーツ協会(JPSA)の理事に任命されました。これまでも、2000年から視覚障がい者ランナーの伴走者として「かすみがうらマラソン兼国際盲人マラソン」に参加したり、2008年から「スペシャルオリンピックス日本」[注1]の理事長を務めたりしているので、それらの活動で得られた知見を生かせればと思っていますし、2020年の東京パラリンピックでもお役に立てればと考えています。

今回は、そうしたご縁を踏まえて、障がい者スポーツについて私が最近感じていることをお話ししたいと思います。

パラリンピックが終わったら、選手への支援はどうなる?

先日、あるブラインドマラソン[注2]の女子選手とお話をさせていただく機会がありました。実業団に所属する彼女は、世界大会で入賞するなど近年めきめきと実力を伸ばし、東京パラリンピック出場を目指して日々努力していらっしゃいます。

そんな彼女との対談はとても楽しかったのですが、対談をきっかけに1つ気になったことがありました。それは、2020年のオリンピックやパラリンピックが終わった後のアスリートの生き方です。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見越して、多くのアスリートを雇用し、サポートする企業がここ数年、目立っています。オリンピックやパラリンピックで活躍するためのトレーニング環境を提供してもらえることは非常にありがたいことですが、大会が終わった後に企業がアスリートたちへの支援や雇用を継続するかどうかは決まっていないことも多く、自分はどうなるのかと不安に思っている選手は少なくないだろうと想像しています。

[注1]スペシャルオリンピックスは、スポーツを通して知的障がいのある人たちの社会参画を支援する国際組織。オリンピック競技種目に準じたさまざまなスポーツトレーニングと競技会を提供しており、世界大会は夏季・冬季ともに4年に1度開催される。スペシャルオリンピックス日本は、スペシャルオリンピックスの国内活動を推進する国内本部組織。

[注2]視覚障がいのある選手が行うマラソン競技のこと。

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