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日本酒100種をセルフで飲み比べ 訪日客の人気店に

世界で急増!日本酒LOVE(13)

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NIKKEI STYLE

日本酒専門店「KURAND SAKE MARKET」(クランド サケ マーケット、以下KURAND)は100種類の日本酒をセルフサービスで自由に飲み比べできる店として知られる。都内に7店舗展開、普段飲むことのできない小さな蔵元50~60カ所の酒を豊富にそろえ、客が自分で冷蔵庫から酒を取り出して、自由に好きなだけ味わうことができるのだ。自由さが受け、店は日本人だけでなく外国人客も目立つ。

料金は時間無制限で税込み3240円。平日30分の場合は1080円(税込み)、平日90分と週末の昼飲み(時間無制限)は2160円(同)。酒のさかなはミックスナッツや煮玉子など10~20種類(200円~、税込み)そろえているが、料理の持ち込みや近隣からのデリバリーも可能。店内には貸出用のまな板や包丁、電子レンジまで置いてある。

本来なら蔵元でしか味わうことができない新鮮な酒を専用サーバーで提供したり、「酒燗(かん)器」も設置して自分でお燗できるので、色々な温度帯で楽しめる。店オリジナルのブレンドだしを店の酒に加えて楽しむ「出汁(だし)割り」にもトライできる。

酒がそれほど強くない人にはウーロン茶やカルピスなどと割った「ソフトドリリンク割り」を提案。大吟醸ハイボールや日本酒カクテル、日本酒アイスまでラインアップし、日本酒に関して様々な味わいを体験できるテイスティングバーだ。

同店は「セルフで好きなだけ自由にカジュアルに」というスタイルが日本に住む外国人や訪日外国人客に人気だ。渋谷店では客の20~30%は外国人が占めているという。

「海外で日本酒を楽しむとなると、輸送コストや関税がかかるのでどうしても高くなってしまいます。日本酒は海外では高級酒の一つですが、KURANDでは時間無制限で飲み放題でリーズナブル。酒の飲み比べを存分に楽しむための自由空間が外国人に好評なのです」と同店を経営しているリカー・イノベーションのプロモーションプランナーの辻本翔さんは語る。

同社では「KURAND」店舗の運営に加え、蔵元と一緒にオリジナル酒を開発して販売するオンラインストアも運営する。毎月2980円(税別)で日本酒1本(720ミリリットル)とその土地の酒のさかなや情報誌などが届く日本酒の頒布会サービスや、飲食店への日本酒卸し事業なども手がける。

「KURAND」に来る外国人客は6割が欧米系、4割がアジア系だという。そのほとんどは外国の人気レビューサイトでの口コミにひかれて来店している。中国や韓国・台湾のメディアからの取材依頼が多いという。

渋谷・新宿・池袋など、ターミナル駅近くに店があることも外国人客を獲得できている理由の一つ。さらに他の要因もある。

例えば、渋谷店の入り口には人気サイトによるおすすめ店の認証を掲示するほか、飲み放題システムを英語で説明したボードを設置する。世界各地からのお客のスナップ写真も飾り、安心して入店できる店もアピールする。

入店した客は「最初の一杯にオススメのブース」、「季節限定ブース」などとカテゴリーに分かれた冷蔵庫の酒の中から1本を選ぶ。

蔵元が地元で生産された単一のコメ品種と地元の水で醸した酒は「シングルオリジン」と呼んで「テロワールブース」に陳列。ワイン好きな欧米人などがすごく興味を示すブースだという。壁には英語で説明した日本地図もあり、各地に旅した気分を味わいながらシングルオリジンを飲み比べできる。

飲み比べコースには甘口コース、辛口コースなどもある。「外国人のお客様の中には日本酒ビギナーも多く、初心者は100種類から1本を選ぶのが困難です。ブースに分けることで選びやすくなります」と辻本さん。同店の日本人客は20~30代がメイン。この売り方はカジュアルに楽しみにいたいという日本の若者にも好評だ。

またリカー・イノベーションでは、海外事業部に所属するイギリス人の男性スタッフが渋谷店で月に1回、外国人向けのイベントを開催するほか、年に数回、蔵元を呼んでイベントも開催している。

イベントは英語や日本語が入り交じって盛り上がる。そこで話題になるのは、同社プロデュースのユニークな酒。例えば、チョコに合う山廃仕込みの長期熟成古酒の銘柄は「I love choco(アイラブチョコ)」(埼玉・寒梅酒造)。チーズに合う甘口は「Macheese(マッチーズ)」(徳島・三芳菊酒造)。肉に合う味濃いめの辛口は「29(ニク)」(岐阜・舩坂酒造店)など。他にはサムライやアニメが描かれたラベルの酒も外国人客には人気だ。

イベントなどを手がける海外事業部のクリストファー・ヒューズさんは「外国人のお客様にはラベルのインパクトが強いものや、わかりやすいネーミングの酒などが人気です」と話す。

同社は19年8月に7号店目となる秋葉原店もオープンした。サブカルチャーの聖地として知られる東京・秋葉原を、世界に日本酒を発信するのに適した立地として選定したのだ。立ち飲みブースもあり、ビジネスパーソンや外国人観光客などのちょい飲み需要も取り込んでいく考えで、1杯500円(税込み)から販売する「杯売り」プランを用意する。

クリストファーさんはイギリスに住んでいた時には、日本酒のまがいものを熱かんで飲んだことしかなかったので「日本酒がまったく好きではなかった」という。しかし初めて日本の蔵元から直接そそいでもらった酒を飲んだ時、「こんなにうまい酒があるなんて!」と感動し、日本酒に開眼。自分と同じ経験をしている外国人に、「本当は日本酒はすごくおいしい、そして奥深いと伝えたい」と意気込む。

また、クリストファーさんは「日本酒は日本の文化にダイレクトに関係しているからこそ面白い」と指摘。各地のシングルオリジンや、サムライのラベルの酒などをきっかけにして日本酒を知るのが「外国人には近道かもしれない」と可能性を探っている。

大吟醸や吟醸、純米酒など、特定名称酒は細かすぎて、ややこしいと感じる外国人客が多い。特定名称酒だけがスポットを浴びるのでなく、様々な日本酒を世界に伝え、小さな蔵元にも関心が集まるようなビジネスを展開して行きたい、と辻本さんやクリストファーさんは考えている。

昨年から、輸出を本格的に開始。香港では世界最大級の酒の展示会に出展したほか、現地のディストリビューターと組んで酒の輸出を徐々に拡大させているところだ。

「日本酒をもっとカジュアルに楽しめることを世界中に発信したい。日本酒をもっと身近に感じて欲しい」(辻本さん)と、各種事業を通して日本酒の魅力を訴えていく。

(国際きき酒師&サケ・エキスパート 滝口智子)

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